1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:01:22.55 ID:oFFEX5/E0
昔の思い出に浸りながら、文に書き起こしてみた。
暇なら聞いてってくれ。昔の事だから脳内補完が多少あると思う。
特に会話文は断片的なものを解りやすくまとめたりしてるから補完が多いが、
元の意味とニュアンスは出来るだけ再現させてるつもりです。


小6の梅雨の時期、とある事情で東京から祖父の家に引っ越した。
引っ越してからは毎日離れに篭ってた。


梅雨が過ぎ、夏になりかけの頃。
いつものように離れで絵を描いていた。






   










2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:03:03.98 ID:oFFEX5/E0
絵を描いていたといっても、別段上手いというわけでもない。
なんかこう、描かなきゃいけないんだ、的な脅迫概念に捉われていたんだと思う。

引っ越す原因と脅迫概念の原因については本筋には関係ないから置いておく。

ふと、今まで自分が描いた絵を見てみようと思ったんだ。
近所にあった公園、小学校のグランド、家から見えた景色。
最近描いた絵はそんなものばっかだった。
他の絵も見てみようと思って色々目を通していたら、
引っ越してすぐに描いた絵が見つかった。
黒味を帯びた赤と黒で描かれた絵。あの絵の禍々しさは今でも忘れられない。

その絵を見たとたん怖くなった。
ここに居たくない。怖い、逃げ出したい。そんな気持ちになったんだと思う。
離れから飛び出して家の裏にある雑木林に逃げ込んだ。







5以下、名無しにかわりまし てVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 13:04:33.60 ID:oFFEX5/E0
引っ越してから1ヶ月ほど過ぎても、家と離れ以外の場所に行くのは初めてだった。
どんな形であっても新しい場所へ行くという事は
自分に取って新しい一歩になったんだと思う。
今になって思えば、裏の臓器林じゃなくて正門から道路の方に行けよって感じだけど…


とにかく我武者羅に走った。
走って、走って、迷った。そりゃ迷うわ!!って突っ込みたくなるんだけどね。
迷った事に気がついたとき、何故か楽しいと思えるようになった。
引き篭もって絵を描くとか根暗の極みに感じるが、
元来の性格はそれなりに明るかったからだと思う。
気持ちが凄く楽になって、体が軽く感じられた。そのまま走り続けた。
道なんてないけど、気の向くままに走った。

走って、走って、落ちた。急な斜面からズシャーって。


ゴロゴロ転がりながら斜面を下った。
体の彼方此方を打ってすっごく痛かった。






7以下、名無しにかわりまし てVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 13:06:16.29 ID:oFFEX5/E0
斜面といってもそんなに長いものでもなかった。
ただ、大きい石や木があったから下手をすれば致命傷というのも可能性もあった。
頭を打たなかったのは本当に幸運だったと思う。


斜面から転がり落ちて、体中が痛くて泣きたくなった。
けど、我慢した。泣きたくなかったから。
目に砂が入って涙が流れた。
ゴシゴシこすって砂を取った。

視界に入ってきた景色は素晴らしいものだった。






8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:06:28.98 ID:xLfZtE/dO
それでそれで






9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:07:46.61 ID:oFFEX5/E0
地平線へ沈まんとする夕陽。
夕陽の色に染め上げられた海。

体の痛みなんか忘れていた。
それぐらい夢中になる景色だった。
見ているだけで顔が熱くなった。

額から血が流れているだけだった。






11以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 13:09:17.20 ID:oFFEX5/E0
最初は鼻血かと思ったけれど、額が切れてそこから流血していた。
右手で傷口を確かめようとしたが、右手に激痛が走った。
右手の指が折れていた。
その時は指が折れているということは解らなかったが、
右手がヤバイというのは理解できた。
不思議なもので、異変に気が付くと余計に痛くなっている気がした。
とにかく額の傷をどうにかしようと思い、左手で傷を抑えようとした。

「ダメ!触っちゃだめなんだから!」
「え…あ…うん……」


こっちに引っ越してからお祖父ちゃん、お祖母ちゃん、葵ねぇ以外と話す事はなかった。
だからといって、もう少しマシな受け答えしろよとも思う。
とにかく、これが彼女と初めての会話だった。






13以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 13:10:52.59 ID:oFFEX5/E0
黒く長い髪。白く透き通った肌。端麗な容姿。優しい声。
これが彼女の第一印象だった。

「これで傷口を押さえて。痛いかもしれないけど少し強く押さえるんだよ」

渡されたのは綺麗な白いハンカチだった。

「え…あ…これ…汚れちゃ」
「いいから!はやく押さえて!!人呼んで来るから動かないで待っててね」

そう言って彼女は何処かへ走っていった。
その時、縞々の布地が見えたのは今でも内緒だ。






14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:12:06.27 ID:oFFEX5/E0
左手のハンカチで傷口を押さえながら、海の方を眺めていた。
沈まんとしていた夕陽は半分になっていた。
景色ってこんなに変化するんだと知ったのはこの時だと思う。

彼女が連れてきたのは彼女の父親だった。
頭はクラクラしてないか等いろいろと質問された後、
車に乗せられて病院に連れていかれた。

治療を受けている間に葵ねぇが病院に来た。
泣いていた。
つられて一緒に泣いたのは今でも覚えている。






15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:14:02.84 ID:oFFEX5/E0
治療を受けた後、葵ねぇと一緒に帰った。
家に着くまで葵ねぇのお説教だった。
裏の雑木林は危ないから近寄っちゃダメ、とか。
出かけるときは一声かけること、とか。
遊びに行くときは名札を付けなさい、とか。

とにかく、葵ねぇは心配してくれていたんだと思う。
似たような境遇だったからこそ、
当時の俺の気持ちに一番真剣に対応してくれたんだと思う。


家に帰った後、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんにもこってり絞られた。
彼女の父親とお祖父ちゃんは知り合いだったらしく、後日お礼に行くことになった。






16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:16:19.23 ID:oFFEX5/E0
知り合い、であったことは事実だが、実際はただのお隣さんだった。
ただ、お隣さんといっても間に雑木林があるのでご近所といったほうが正確だ。
一つびっくりしたのが、普通の家ではなく神社だった。
しかも大きい。ホントに。
お祖父ちゃんと一緒にお礼を言い、神主さんとお話をした。
その後、お祖父ちゃんと神主さんが将棋を始めたので先に帰る事にした。






17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:18:02.15 ID:oFFEX5/E0
神社から外へと繋がる階段を下りようとすると、その階段を上ってくる人がいた。
彼女だった。
相変わらず黒く長い髪、端麗な容姿。
お礼を言わなくちゃと思い、声をかけた。

「あ、あの…昨日はありがとうございました」
「ん…あぁ、昨日の子ね。怪我はどう?痛む?」
「いえ、大丈夫です。ハンカチは神主さんに渡して置きました」
「ん…そう。雑木林の斜面から落ちたんだっけ?あの辺りは危ないから気をつけなよ」

そう言って彼女はそのまま神社へと姿を消した。
昨日の彼女とは別人までとは行かないものの、少し違和感を覚えた。







18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:19:29.24 ID:oFFEX5/E0
いくら綺麗に洗ってあるからとはいえ、人の血の付いたハンカチを使う気にはなれな いだろ。
そう思い、葵ねぇにお願いして買い物に連れて行ってもらった。

お礼を言いに行った日の彼女の態度、たぶんそれはハンカチが汚れた事に対する怒りだ。
だから、お詫びに新しいハンカチをプレゼントする。
そうすれば少しは……

そういう事を考えていたんだと思う。
お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、葵ねぇ以外で話したのは初めてだったから。
少しでも仲良く、少しでも話が出来る関係になりたかったんだと思う。






19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:21:47.51 ID:oFFEX5/E0
後日、新しく買ったハンカチを持って神社に行った。
神主さんに会い、ハンカチを渡したが
「もうすぐ帰って来るから直接渡してあげて」
と言われ、待つことにした。

彼女を待つ間、神主さんと色々なことを話した。
つい話しに夢中になり、彼女を待っているということをすっかり忘れていた。
不意に、
「あれぇ?キミ、この間の子だよね?あ、やっぱり。よかった〜入院しないですんだんだ」
と、彼女の声がした。

「右手の指が折れちゃっただけなんで…
 あ、あの…これ、汚してしまったハンカチの変わりにと思ったんですが、
 よかったら使ってください」
と、小奇麗な袋に包まれたハンカチを渡した。

「え?いいよ、いいよそんなの。この前のハンカチだってすっかり綺麗になってるし、
 ほら、今も使ってるんだよ」
「で、でも…この前の時すこし怒っているような気がして……
 たぶんハンカチを汚しちゃったからかなって…」
「うん……?あ〜なるほど。わかったわかった。それじゃ、ありがたく頂戴させてもらうね」

彼女が笑いながらハンカチを受け取ってくれた。
嬉しい。本当に嬉しかった。
隣で神主さんが笑ってた。






20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:24:51.25 ID:oFFEX5/E0
「そうだ。ねぇ、キミの名前教えてくれる?」
「お、俺です……」
「俺君かぁ〜。漢字は?どういう漢字なの?」
「えっと…ゴニョゴニョごにょ…って書きます」
「へぇ〜いい名前だね。私は朱音っていうの!よろしくねっ!!」

そういって朱音は左手を差し出した。
細く、白い綺麗な手だった。
少し照れくさかったが、左手を出して握手をした。







21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:26:48.71 ID:oFFEX5/E0
その後はお互いについて色々話した。
朱音は地元の中学に通う二年生で、生徒会で副会長をやっているとの事。
部活は手芸部に入っているが、活動事体が滅多に無く幽霊部員ならぬ幽霊部活らしい。
東京から引っ越して日が浅く、二学期から学校に通う予定だ、と朱音に言うと
「そうなんだ。もしかして私が友達一号?やった!勝った!!」
と言った。

友達という言葉に少しウルッと来た。

朱音が「着替えてくる〜」と席を外すと、入れ違いで神主さんが戻って来た。
手になんか持ってる。
「よし、じゃあ今日から将棋を教えてやる」
気を使ってなのか、ただ単に仕事をサボる口実だったのかは今でもわからない。






22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:29:12.62 ID:oFFEX5/E0
神主さんから将棋を教わっていると、玄関が開く音がした。
誰か家の人が帰って来たのかなと思うと
「ただいま〜」

朱音の声だ。
神主さんは、笑っている。
階段も、笑っていた。






23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:31:55.06 ID:oFFEX5/E0
「はい、おかえり〜」
「ただいま。あれ、この子。この間の子でしょ」
「こら、お客様に対する言葉遣いってのがあるだろ。それにちゃんと名前で呼びなさい」
「は?つーか名前知らないし。知らなきゃ呼べないじゃん」
「おいおい、その年で物忘れか?困ったもんだなぁ。俺君はちゃんと覚えてるよね?」
覚えているもなにも、ついさっきまで話していた朱音さんだ。
髪も、顔も、制服も一緒だ。
ただ、声の柔らかさが、違う。

「え…朱音さん……ですよね?」
シーンと静まる空間。
明らかに笑いをこらえている神主さん。

「はーい!朱音さんですよ〜」
声は階段の方から聞こえた。






25以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 13:34:38.29 ID:oFFEX5/E0
大笑いする神主さん。
ハァーとくだらない、そんな表情をしている制服の朱音さん。
ニッコニコ顔の、私服の朱音さん。
何がなんだかわからない、俺。

制服の朱音さんに、私服の朱音さん。
さすが神社の子は凄いなぁと片付けられる年頃でもないし、
魔法やらなんやら信じる年頃でもない。

「あのさぁ、その子混乱してるよ?それにくだらないから、こんなの」
制服の朱音さんが喋る。

「まーいいじゃん。ちょっとしたサプライズだよ、サプライズ」
私服の朱音さんが喋る。

良く見ると、違う。
私服の朱音さんの方は髪が多少長く、肌が白い。
制服の朱音さんの方は髪が多少短く、肌が少し焼けている。

なんのことはない。
ただの、双子だ。






26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:36:57.53 ID:oFFEX5/E0
「私は雪音。一応、妹ってことになってる。よろしくね」
「えっと、俺です。よろしくお願いします」

これがもう一人の彼女との出会いだった。

雪音は性格がキツイ、というわけではなくサバサバしたタイプの人だった。
けれど、この時の俺は雪音=恐い人という印象だった。



これが二人との出会い、馴れ初めとなるんだが想像以上に長くなってしまった。
あまり意味の無い所は省いているんだが、どうしても多くなってしまうのはご勘弁を。






27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:40:11.86 ID:oFFEX5/E0
右手が使えない状態だったこともあり、絵は描かなくなった。
日課のピアノも左手だけしか使えず、いつもより練習量は減った。
その時間分、葵ねぇと遊んだり神主さんの所に行くようになった。


お昼を食べ、少ししてから神社へと向かう。
神社に着いたら掃除を手伝う。
その後、神主さんに将棋・囲碁・チェス・麻雀を教わる。

遅起きの蝉が大合唱を始める頃、少しの変化があった。







28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:43:14.83 ID:oFFEX5/E0
中学校も夏休みに入ったらしく、朱音も神社の手伝いをするようになった。
一緒に掃除をして、一緒に買い物に行って、一緒に散歩をして、一緒に海へ行って。
とにかく一緒だった。
夏が終わる頃になると、商店街の間では俺と朱音は姉弟だ、と言われるようになっていた。






29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:45:31.97 ID:oFFEX5/E0
夏休みが終わり、二学期が始まった。
周りのみんなのおかげで精神面もすっかりよくなっていたので、
普通に通学することができた。
友達が出来るかどうか心配だったけど、
球技全般が得意だったこともあってすんなり溶け込むことが出来た。
小学校で友達ができたこともあり、以前に比べ神社へと行かなくなった。
それでも、時々は顔を出し、夕飯を御馳走になったりした。

そんな日々を過ごし、秋を迎え、年を越えて冬終えて
せっかちな桜が咲き乱れる頃、小学校を卒業した。







30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:52:18.13 ID:R/pUtThBO
実際にあったことを元にした小説
ってことでいいですか?

すでに切なさが込み上げてきたんだが


>>30
小説、というか思い出話かな
色々と昔を振り返ることがあったものでね





31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 13:52:19.37 ID:Z/s2FuOy0
ふむ






33以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 13:59:19.70 ID:oFFEX5/E0

ここで少し俺の事と葵ねぇの事に触れてみます。

まず、小6の中途半端な時期に引っ越すことになったのは、
父親が事故でなくなったのが理由です。
母親は幼稚園の年長の時に病気で亡くなりました。
んで、父方の祖父母は両方とも既に亡くなっていて、母方の祖父母が引き取ってくれた。
忙しい父親だったけど、休みの日には絵の描き方を教えてくれたりで良い父親だった。
あまり鮮明に覚えてはいないが、
幼稚園で覚えてきた歌にピアノで合わせてくれる優しい母親だった。

母親が亡くなって、やっと立ち直った頃に父親が亡くなって。
当時は結構なダメージを受けて精神的にボロボロだった。
一ヶ月ぐらいで少しだけでも立ち直れたのは祖父母と葵ねぇのおかげだった。






34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:01:21.19 ID:oFFEX5/E0
葵ねぇは俺とも祖父母とも血は繋がっていないが、
一応俺の義理の叔母さんというこ とになる。
葵ねぇは祖父の若い頃からの友人の孫であり、
小さい頃に何度か会ったことがあるらしい(こっちは覚えていない)
俺の母親が亡くなる数年前。
葵ねぇ、葵ねぇの両親、葵ねぇの祖父母を乗せた車が事故に巻き込まれた。

結果的に、五体満足で生き残ったのは葵ねぇだけだった。
両親は事故で即死。祖父母は重体ですんだものの、
体力的に衰えてしまい半永久的に入院。
その後は色々とあり、高校入学と共に祖父母の養子となった。






35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:04:04.32 ID:oFFEX5/E0
中学校へ入学する頃には、すっかり朱音と仲良くなっていた。
雪音は部活が忙しく、あまり会う機会がなかった。
というか、ある出来事が起こるまでは「雪音さん」とさん付けで呼んでいた。

中学校、新しい場所で心機一転、というわけではなく、
同学年の八割は同じ小学校の人だった。
新しいクラスにも見知った顔が多く、不安は感じなかった。
入学式が始まる前に、朱音と雪音と俺の三人で写真を撮った。
いつもは写真を嫌がる雪音が、この時は妙にノリノリだったのを覚えている。






36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:07:29.83 ID:oFFEX5/E0
複数会話が増えるから名前付けるね。


小学校と中学校の大きな違い。それは部活。

入学式が終わり、教室へ移動し、担任・クラスメイトとの顔合わせ。
それらが終わると、名目上は中学校初日は終わりだが、終わるわけがない。

「俺ー!部活見学行こうぜー!」
大きな声で話しかけて来たのは優介。
「あっ!私も行く〜」
便乗してきたのは由利。

優介と由利。
この二人は小学校でも特に仲の良かった友達だ。
優介は勉強は苦手だが、スポーツ全般が得意。
由利はとても明るい女の子。少し騒がしい。
この二人と同じクラスになれたのは、本当に幸運だった。






37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:10:37.22 ID:oFFEX5/E0
優「いまんとこさー、サッカー部・野球部・陸上部で悩んでんだよね」

俺「優ならどこでも活躍できるんじゃない?」

優「活躍出来ても楽しくなきゃな〜」

俺「まーとにかくさ、一通り見学してから考えればいいと思うよ」

由「ねぇねぇ、俺は?俺は部活何処にするの?もう決めてるの?」

俺「うーん、見学してからかなぁ」

優「由利は決まってんの?」

由「何処にするかは決まってないけど、どこかの運動部のマネージャーするつもり」


そんな話をしながら野球部、サッカー部等と部活を見て回った。






38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:14:40.50 ID:oFFEX5/E0
優「あそこのフェンスに結構人がいるけど、何処の部活だ?」

由「あの辺だったら、たぶんテニス部だよ」

優「テニス部か……テニスも面白そうだな!」

由「ざんねんっ!!テニスは女子しかありませんよ〜っだ」

俺「ちょっと、覗いて行ってもいい?知り合いがいるかもしれないんだ」


そう言ってフェンスの方へ向かった。

いた。見つけた。
部員に指示を出している、雪音を見つけた。






39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:16:09.05 ID:oFFEX5/E0
優「うへ〜結構マジメに練習やってんだー」

由「ホント〜結構きつそうね」

フェンス越しに練習を見ていると、雪音がこっちに気が付いた。
軽く手を振ると、大きく手を振り返してくれた。

優「知り合いってあの人?つーか背高くねっ」

由「ってゆうかキレイ〜。すごくカッコいいし」

練習が休憩になった時、雪音がおいでおいでと手を振った。

俺「中に入って来いって言ってるみたい」

優「入っていいのかな?」

俺「雪音さんがそう言ってるみたいだし、いいんじゃないかな」






40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:18:25.48 ID:oFFEX5/E0
俺「雪音さん、こんにちわ」

雪「うん、こんにちわ。フェンス越しじゃなくて中に入って見学してればいいのに」

俺「や、でもフェンスで囲まれてるから入りづらいよ」

雪「んーそっか〜。あ、熱心に見学してたから言いにくいんだけど、
  テニス部は女子しかいないよ?」

俺「うん、知ってる。雪音さんいるかな〜って気になったから見てたんだ」

雪「そっか。あ、でも男子が入部できないってわけじゃないと思うんだ。
  後で顧問の先生に聞いてみるよ」

俺「えっ、いいよ、わざわざ手間かけなくても。それにまだ何処に入るか決めてないし」

雪「決めてないなら尚更じゃん。後で先生来たら聞いてみるから。
  もしダメって言われてもマネージャーなら絶対大丈夫だから、ね?」


いつもより積極的というよりは軟らかい、そんな感じがした。
とにかく、このままだと押し切られそうな気がしたので、
他も見学してくると言い逃げ出した。






41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:20:20.56 ID:oFFEX5/E0
他にもいくつか部活を見学し、特にコレと決めずにその日は帰ることにした。
帰り道、優と由利には雪音さんのことを聞かれ、ご近所さんとだけ説明しておいた。
妙に由利がしつこく聞いてくるので不思議に思ったが、
その時はテニス部に興味があるんだなぁとしか思わなかった。

この日、運動部しか見学をしなかったのは、俺の、ミスだろう。


家に帰り、葵ねぇと夕食を作り、それを堪能し終えた頃

―RRR RRR―

電話が、なった。








42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:23:52.05 ID:oFFEX5/E0
俺「もしもし、○○です」

朱「もしもし〜朱音ちゃんですよ〜」

俺「うん、どうしたの?何かあったの?」

朱「うふふ〜…ねーぇ〜あーちゃん〜。私に何か聞きたいことない〜?」

俺「ん〜?特にないけど、どうしたの?」

朱「そうだよね〜。何か聞きたいことがあったら放課後に聞きに来るもんね〜」

放課後=部活見学
気づいた時には、手遅れでした。






43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:27:08.05 ID:oFFEX5/E0
朱「まーでも〜しょうがないよね〜。
  やっぱ〜部活って言えば〜運動部がメインだも んね〜。
  文化部なんか興味ないよね〜。しょうがないよね〜」

俺「え…や……そ、そんなことないと思うよ?
  文化部だって地味かもしれないけど、立派な部活動だし…」

朱「いいんだよ〜無理にフォローしなくても〜。
  手芸部は〜華やかなテニス部比べると〜地・味だからねー」

俺「そんなことないって。だって、
  ホントは今日、手芸部に行ってみようと思ったんだけど…」

朱「だけど?」

俺「ほら、その、一緒に見学してた友達がテニス部に興味持っててさ、
  それでテニス部の見学に時間かかっちゃって。
  ホントはその後に手芸部行くつもりだったんだけど、
  時間も遅くなっちゃったから逆に迷惑かなって…」←嘘です

朱「ふーん。じゃあしょうがないよね〜。普段は手芸部活動してないしさ〜。
  あ、でーも〜、今日は最終下校時刻まで灯りが付いてたらしいな〜」

俺「え…あ〜うん……ごめんなさい。明日、友達連れて見学させてイタダキマス」

朱「……うむ、許して進ぜ様。次は無いと思え」

実際はこれっぽっちも怒っておらず、残念半分嫉妬半分だったらしい。
こういうところが朱音らしい、と思える。

中学校初日から暴れ竜の怒りを買ってしまったが、なんとか治めることができた………

が、しかし……






45以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 14:30:12.57 ID:oFFEX5/E0
『でんわ〜?アキんとこ〜?』

『そうだよ〜』

『あ、私も用事あるから変わって〜』

『ほほお〜』

電話越しに二人のやり取りが聴こえた。

雪「もしもしアキ?」

俺「そうだよ。こんばんわ」

雪「うん、こんばんわ」

俺「何か用事あるの?」

雪「ほら、テニス部の話。顧問の先生に聞いといたからさ」

ちょっと嫌なヨカーン







46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:30:48.04 ID:xLfZtE/dO
こんな人生だったら俺も…






47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:33:16.04 ID:oFFEX5/E0
雪「ん〜とねー男子は入れない事もないんだけど、
最低でも三人は入部しなきゃ無理 だって。
  マネージャーの方は普通なら問題ないんだけど、
  男の子ってなると部員からOK出ないとなんとも言えないって」

俺「え…あ、うんうん。やっぱ無理だよねー。ま、でも他にも色々部活あるから大丈夫だよ。
   てゆうか、わざわざ聞いてくれてありがとうね」

雪「いいって〜気にしないで。でも、部員としては無理だけど、
  マネージャーなら大丈夫だから、ね?」

俺「いや、でも……ほ、ほら、やっぱ女子の部活に男子のマネージャーっておかしくない?
   それにテニス部の人も嫌がると思うし……」

雪「それなら大丈夫っ。ほら、私って一応部長だからさ?
  私の推薦って言えば反対されにくいし、もし反対されても無理矢理……

『ちょっと雪音、無理矢理進めるのはよくないでしょ』
『別に無理矢理じゃないって……


救いは、あった。
ていうか朱音さん、聞いていらしたんですか。







49以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 14:36:20.76 ID:oFFEX5/E0
雪「とにかく、興味あったら見学来てね。あ、私のクラス3-○だから休み時間でも いいよ」

俺「うん、わかった。色々ありがとね」

雪「それじゃ、おやすみ」

俺「おやすみー」

朱「はい、おやすみー。あした〜ゆっくりお話しましょうね〜」


凄みというかオーラというのか、電話でも伝わるものだと知った。






50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:38:17.92 ID:oFFEX5/E0
次の日の授業も午前授業であり、その後は部活動見学だった。
そのためお弁当も持ってきており、優介と食べる予定だった。
他の生徒の殆ども部活動見学のためかお弁当も持ってきており、
教室にはそれなりの人数がいた。

俺・優「「いただきまーす」」

優「俺今日サッカー部の練習に参加することになったわ」

俺「そーなんか。もうサッカー部に決めたの?」

優「んー一応な。サッカー嫌いじゃないし。つーかアキもサッカー部入ろうぜ」

俺「俺は別にサッカー上手いわけじゃないからパスだな〜」

優「いやいや、お前は普通に上手いって。
  体育の授業とかでもセンスだしまくりだったじゃん」

俺「んなことないって。だったら○○の方がいいんじゃね?
  アイツもサッカー部入るみたいなこと言ってたじゃん」

と、お弁当を食べながらありがちな会話を楽しんでいた。







51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:41:20.20 ID:oFFEX5/E0
―――ガラガラガラッ

不思議な物で、不意に大きな音がすると注目&沈黙が襲ってくるわけで、
俺と優介もドアの方に目をやると

「あ、いたいたー。あ〜き〜、お昼食べ終わった〜?」

みんなの視線はドアから俺に移るわけで。

優「あ、昨日の!!テニス部の人」

残念、そいつはハズレだ。

俺「ん…いま食べてるとこ。ていうかすっごい見られてるんだけど」

朱「ん〜そだね〜。いきなり上級生来ちゃったらびっくりするもんね」


ヒソヒソ、ざわざわと心なしか小声での会話が始まる。
『あれ、生徒会長だよな。アイツとどーいう関係なんだ?』
『もしかして彼女彼氏じゃない?うっわーうらやましい』
『会長と○○君って付き合ってるのかな?ていうか爛れた関係とかとか?』

と、いうことはなく、
『あれ、生徒会長じゃね?』
『わ〜綺麗〜。背、高い〜』
と、普通の反応。

ちなみに、朱音は去年の九月に副会長から会長になっていた。






53以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 14:44:54.10 ID:oFFEX5/E0
とりあえず朱音に優介を紹介し、優介に朱音を紹介する。
その後、三人で会話をしながらお弁当を消化していく。
お弁当を食べ終え行動開始、というところで由利がこちらにきた。

由「えっと…昨日のテニス部の人?」

一つ言えるのが、由利と優介は昨日の入学式を真面目に受けていなかったようだ。

俺「それは雪音さん。こっちは朱音。生徒会長として入学式で挨拶してたよ?」

由「あ〜そう言われれば見た気がするね〜」

朱「まー入学式なんてそんなもんでしょ。面白くもないし」

俺「で、えーと、こっちが由利。小学校で仲良かった子」

朱「そうなんだ〜。由利ちゃんよろしくね〜」

由「あ、はい。よろしくおねがいします」

優「じゃ、俺そろそろサッカー部行ってくるわ」

俺「あいよー、怪我すんなよ〜」

朱「じゃあ私達もそろそろ行こっか」

由「あ……見学行くなら私も行きたいかも」

ということで、三人で手芸部に行くことになった。






54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:49:05.53 ID:R/pUtThBO
ちょっと雑木林行って崖から落ちてくる






55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:49:21.51 ID:oFFEX5/E0
今思い返しても、同学年の友達と朱音・雪音に対する言葉遣いが随分違ったなぁ。
まだ先輩に対する適切な言葉遣いを理解してるわけではなかったし、
先輩・後輩という関係だけでなかったのが原因かな。
朱音とは家族間での言葉遣いに近い物はあったけど、
雪音とはそこまで近い言葉遣いではなかったと思う。



由「手芸部って〜どんな活動してるんですか?」

朱「んっとね〜基本的に活動してないね〜(笑)」

由「じゃあ幽霊部員の集まりみたいなものなんですか?」

朱「そだねー」

俺の中学校では部活に所属しなければならない、というものだったので、
手芸部みたいな部活動が存在していたのだと思う。

朱「でも一応部室あるから覗いて行ってよ〜」

といって部室に案内されたのだが

手…芸……部?






56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:52:04.87 ID:oFFEX5/E0
まず、目に入ったのが雑誌・漫画の山。
オセロなどのボードゲーム。
バドミントン、バレーボールなどの遊具。
隅っこに申し訳なさそうにある、ミシン。


朱「えへへ〜すごいでしょ?」

えへへ、ですむ問題じゃないですよ、会長?

由「なんか…すごいですね……」

俺「すごいってより…ひどいよね…」

昨日、朱音を長時間待たせてしまったのを反省していた気持ちが、すっかり無くなった。

朱「ほら、憩いの場?的な?ま〜とにかく座って座って」

物はたくさんあるみたいだが、一応すっきりと整頓されていた。






57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 14:54:35.86 ID:oFFEX5/E0
壁際に置かれたソファー(元、校長室在住)に腰掛け、華やかにお喋り。
と、いうわけにはいかず

朱「で、アキは何処の部活に入るのかな〜?」

由「え、アキ部活決めたの?どこどこ?」

会話の主導権を握るのも、朱音の得意技だ。


俺「ん〜と、まだ決まってないかな〜」

由「そっか。優介はサッカー部に決めたらしいから、アキもサッカー部でいいんじゃない?」

朱「サッカー部は怪我するから危ないんじゃない?また骨折したらピアノ弾けなくなっちゃうよ」

由「え!!何!?アキってピアノ弾けんの!?鍵盤ハーモニカだめだめだったじゃん」


小学生男子がピアノとかの女の子系習い事をやってるとからかわられたりするよね。
それが嫌で隠したりしたよね?ていうか普通するよね?






59以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 14:58:30.01 ID:oFFEX5/E0
朱「すっごくうまいよ〜。小学生の頃コンクールで入賞したりしたんだよね」

由「えっ、マジ?音楽がんばりましょうじゃなかったっけ?」

どちらも事実です。はい。

俺「まぁそうだけどさ、もう真面目にピアノやってるわけじゃないし、
  弾けなくなったって困らないよ」

朱「だめだよ〜。アキのお祖父ちゃんとお祖母ちゃん、
  アキのピアノ聴くの楽しみだって言ってたよ」

由「っていうか私もピアノ聴きたいし!今度、音楽の授業で弾いてよ」

朱「あ、そうだ。秋に合唱コンあるからピアノやりなよ〜」

由「そんなのあるんですか〜」

部活の話からピアノの話に逸れたのはラッキーだった。






61以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 15:02:21.77 ID:oFFEX5/E0
俺がピアノを習っていたのは母親の影響です。
母親は生前、一応プロのピアニストとして活動していたそうです。(そこまで有名でもなかった)
それの影響で小さい頃からピアノ習っており、
小2〜小5の時はコンクールに出たりしてました。
ただ、こっちに引っ越してからは習うこともなくなり、ただの趣味として弾いていたレベル。


その後は部活の話に戻ったわけではなく、
他の行事の話題になり、気が付けば下校時刻になっていた。

朱「おっと、そろそろ下校時刻だね〜」

由「あ、ホントだ。かなり長話になりましたね〜」


俺、スラムダンク熱読中。

朱「ほら、アキ。もう終わりだよ〜」

俺「ん?あーうん…りょーかい」

部室から出て、戸締りをした後、職員室に向かった。
途中、由利は仲良しグループと遭遇し、そっちに合流した。

朱音が鍵を返すのを流しの台に座り待っていると、見知った顔が近づいてきた。






63以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 15:04:09.22 ID:oFFEX5/E0
雪「あれ?こんな時間まで何やってんの?」

俺「スラムダンク読んでた」

雪「あー手芸部ね。朱音は?」

俺「鍵返してるとこ」

雪「そっか」

自然な動作で隣に座る雪音。
何故か始まる指相撲。

指相撲は骨折(親指と中指)が治った際に「リハビリに効果覿面」と朱音が言い出し、
二人でよくやっていた。
雪音とは殆どやったことがなく、朱音の時とは違って妙にドキドキした。






64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:06:34.32 ID:oFFEX5/E0
朱「はいはい帰りますよ〜二人とも〜」

雪「ねぇ、朱音?今日の夕飯どうするの?」

朱「あ〜そっか〜。お父さん達集まりでいないのかぁ」

雪「買い物は私が済ませておくって朝聞いた記憶があるんだけど?」

朱「あーすっかり忘れてた。どうする?」

神主さん達は職業柄集まりなどに顔を出すことが多く、
今日みたいに家を空けることが度々あった。

俺「じゃー家で食べてく?夕飯の時間遅くなっちゃうけど」

朱「それじゃお言葉に甘えて」

雪「お邪魔させてもらうね」

家はお祖父ちゃん・お祖母ちゃん共に帰って来るのが遅いということもあり、
夕飯の時間が20時半前後と比較的遅めだった。
一般的には19時前後が多いのかな?






65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:08:39.22 ID:7na+nf8VO
スラムダンクなんて読んだらバスケ部に入りたくなるだろ


>>65
身長が、な………






66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:08:39.96 ID:oFFEX5/E0
携帯で葵ねぇに連絡し、朱音と雪音がご飯を食べてく事を伝える。
食事の支度は主に葵ねぇが担当していた。お祖母ちゃんは時間があるときに。
俺はお手伝い。
お祖母ちゃんは調理師免許持ちであり、
葵ねぇはお祖母ちゃんから直々に教えてもらったこともあり、腕前はかなりのもの。
葵ねぇのお弁当ホントおいしい。今でも時々作ってもらってます。

三人で他愛も無い話をしながら、帰宅への道を進む。
途中、野良犬に遭遇しかなりびびったのを覚えている(俺が)

雪音と朱音は一度身支度を整えてくるとのことで一旦別れ、先に家に帰ることになった。
家に着くと葵ねぇが夕飯の支度をしていたので、微力ながらお手伝い。






67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:13:12.51 ID:oFFEX5/E0
葵「ねぇ、あーちゃん。部活決めたの?」

俺「まだ悩んでるとこ」

葵「どうせさ、お金がかかるとか家のことを手伝う時間がなくなるとか考えてるんでしょ?」

おもいっきり図星、だったり。

葵「手伝う時間が無くなるからって理由は立派だと思うよ?
  けど、アキはまだ中学生なんだよ?
  こうやって手伝ってくれるのは凄く助かるし嬉しいけど、
  それはアキの時間を削ってまですることじゃないんだよ。
  それにね、今は私と○○さんと○○さん(共にお祖父ちゃん・お祖母ちゃんの名前)で
  アキが成長するのを見守ってるの。
  アキがいつか独り立ちできるようになるまで支えるの。
  だから、アキはお金のことを気にしちゃいけないの」


祖父母に引き取られて、
本来なら祖父母にかかるはずのない金銭的負担がかかっているのは事実。
裕福であろうと無かろうと、
迷惑をかけてしまっているのだから負担を出来るだけ少なくするのは道理。
と、当時の俺は考えていた(今は大学の学費までバッチリ出してもらってます)
そう考えるようになったは、テレビで取り上げられていた
『子供一人育てるのにウン千万かかります』というのが原因だったり。
今思うと「くだらねー」と言えるが、当時の俺にとっては大問題だった……






68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:15:51.77 ID:oFFEX5/E0

葵「だからさ、やりたい部活を選んでいいんだよ?今のアキがしなくちゃいけないのは、
  周囲が望む選択をする事じゃなくて、
  アキが望む選択をする事なんだから」

俺「でも、いいの?手伝いできる時間減っちゃうし、
  葵ねぇの負担増えちゃうし、葵ねぇの時間減っちゃうよ?」

葵「いいの。というより、今までアキのおかげで楽させてもらってたんだから。
  これからが普通になるの。
  それに、部活で疲れたあーちゃんにご飯食べさすってのが楽しみなんだ」

微笑みながらそういう葵ねぇはとても素敵だった。
もし、母親が生きていたなら、葵ねぇみたいな人だったのかなと思った。








69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:18:04.72 ID:oFFEX5/E0
その後、いつもの四人+二人で食事を取った。
食事は大人数で食べた方が楽しいってのは何時の時代でも一緒だと思う。

食事の後は俺の部屋に移動し、話をした。
話題は、部活。


朱「それじゃ〜明日にでも手芸部に正式に入っちゃおうか」

俺「えっ!?」

雪「ちょっと!何勝手に決めてんのよ!!」

朱「冗談だってば、冗談。それで、いくつか候補は絞り込めた?」

俺「うーん……正直、これといって興味を引かれるのがないんだよね」

朱「そっかー……サッカー部は?アキ、サッカー上手いし好きでしょ」

俺「好きだけど、遊びでやるのが好きなだけでちょっと違う感じなんだよね」

朱「雪音みたいに負けず嫌いじゃないしね〜。
  囲碁部はあるけど、チェスと将棋はないしねぇ」

雪「ちょっと、私べつに負けず嫌いじゃないから。
  まぁでも、アキは貪欲さに欠けるとこがあるからね」


俗に言うヘタレっ子です。






70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:19:45.51 ID:oFFEX5/E0
実は、少し興味を引かれている部活があったり。
ただ、ちょっと選択がアレなんで、少し決めかねていたり。

俺「そういえば、テニス部って何人ぐらいいるの?」

雪「んーと、今は40人くらいかなぁ」

朱「一応、強豪だから多いよね〜」

雪「他の部活に比べれば多いね。一年生が入れば50人は行くかなぁ」

俺「多いね。マネージャーは何人いるの?」

雪「うーんと、今は2人だね。両方とも三年生」

俺「あんまり多くないんだね」

雪「ウチは他の部活と違って忙しいからね〜」

我が中学校でのマネージャーとは、
『運動部は嫌だけど文化部はもっと嫌』という人がなるものであり、
実質的にお遊びに近い位置づけだった。
ただ、サッカー部・野球部・テニス部は大会でもそれなりの成績を残していることもあり、
この三者のマネージャーはそれなりに忙しい。
それでも『サッカー部・野球部カッコイイ』という若い子にありがちな夢物語があるため、
この二つにはかなりの数のマネージャー志望者が集まる。
しかし、テニス部は女子なため上記な理由も無く、余り人が集まらない。






71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:21:31.71 ID:oFFEX5/E0
朱「マネージャー興味あるの?」

俺「うーん…ちょっと、ね」

雪「あ、私が言ったことは気にしなくていいんだよ?ちょっと無理に進めちゃったけど、
  気にしなくていいんだよ?」

俺「あ、うん。大丈夫。気にしてないから。ただ、ちょっと興味ひかれたな〜って」

朱「マネージャー…ねぇ…。ま〜アキになら似合うんじゃない?」

雪「でも、なんでマネージャー?」

俺「うーん、裏方ってわけじゃないけど縁の下の力持ち?って感じじゃん。
  そういう位置って凄く大切だと思うし、凄く大変だと思うんだ。
  俺もそういう体験をして、少しでも成長したいなって」

お祖父ちゃん・お祖母ちゃん・葵ねぇにはかなりの迷惑をかけている。
それを、少しでも理解・体験したい、っていうのが実際のところだった。
自分がそれらを理解できれば、周りの皆の負担が減る、という考えでもあった。






72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:23:25.71 ID:oFFEX5/E0
朱「でも、他の部活ならともかく、テニス部で男マネージャーって大変じゃないの?
   反対も多そうだし、あえて難しいの選ぶ必要はないんじゃない?」

俺「そう思ったんだけどさ、テニス部人手不足って言うからさ。
  どうせだったら必要とされるところで頑張りたいじゃん」

雪「たしかに人手不足だけどさ、そんなに深刻でもないし別に平気だよ?
  それに、他の一年生がマネージャーで入ってくれるかもしれないし」

俺「んーでも、テニス部なら雪音さんいるからどうせならテニス部でやりたいなって。
  でも、反対されたら他の部活かな」

雪「えっ……!!そ、そっかぁ〜。でも、それは大丈夫。絶対反対させないから」

やけにニコニコ顔の雪音
ちょっとふくれ顔の朱音

俺「明日の午後って練習やってるよね?よかったら見学行ってもいい?」

雪「うん、いいよいいよ〜。あ、体操服ってもう買ってある?
  あるなら一応持ってきておいてね」


あの頃はまだ土曜日に授業あったんだよね。
土曜日に授業があったことを知らない世代もいるのかなぁ。






73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:24:54.08 ID:oFFEX5/E0

四月になったとはいえ、まだまだ布団は恋しいもので。
三日目にして登校予定時間をチャイムギリギリに設定。
一分でも長く夢の世界で、という予定だったが、何者かに邪魔をされる。
葵ねぇが起こしに来るはずもなく(朝ぐらい自分で起きろ、とのこと)

俺「……誰?」

質問に帰ってきたのは答えではなく、布団を剥がされ平手で顔パーン。

雪「起きる!!着替える!!顔洗う!!」

俺「………」

雪音がもう一度右手をテイクバックさせたのを見て、慌てて準備開始。
いや、マジで痛かったって。

とりあえず支持通りに着替え、登校開始。
時刻にして登校予定時刻の30分前。
家から学校まで10分ほど。

俺「よくわかんないけど、早くない?」

雪「いいの」

朝の時間は、何より貴重。






74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:27:03.19 ID:oFFEX5/E0
話を聞くと、マネージャー関連のことで早めに登校して色々とすることがあるらし い。
前もって顧問に会っておくこと。
雪音と特に仲の良いテニス部員に前もって会っておくこと。
これって根回しみたいなものですよね。っていうか雪音さんハリキリすぎですよ。

雪「それじゃ、授業終わってお昼食べたら体操着に着替えてグラウンド集合ね」

俺「りょーかい」

雪「もし、体調悪くなって参加出来そうになかったら無理しなくていいからね」

俺「大丈夫だって。チャイムなるから教室行くね」

と、雪音と別れて教室へ向かった。






75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:27:12.44 ID:AO4LAHHYO
なんか死にたくなってきたwww






76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:28:55.89 ID:oFFEX5/E0
授業、といっても今日はクラスの委員決めと席替えといったHR的なもの。
意外と潤滑に委員決めは進み、
キツイと噂の体育委員も優介という適材がいたためすんなり決まった。
席替えの方は、小学生の頃のように馬鹿騒ぎすることはなく、
くじ引きという極々普通のやり方で決まった。
地味に狙っていた窓側後ろの左隅をゲットした上に、
前の席が優介というかなりの良席だった。
その後、班内での班長決め(掃除のサボリチェックなどの雑用)をした。
俺の班は男二人女二人の四人構成で、俺・優介・奈々子・○○さん(覚えてない)だった。
班長一人と補佐一人を決めろとのことなので、班長はとりあえず優介に、
補佐は○○さん(覚えてない)に決まった。
班長と補佐には先生から役割内容についての説明があり、
説明の間は好きにお喋りをしていてもいい、とのことだった。







77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:31:08.70 ID:oFFEX5/E0
奈「………」

俺「…えっと、○○さんって何処の小学校?」

奈「△△小」

俺「……えっと、あー、△△小っていったらアッチの方だよね?」

奈「そうだね」

俺「あーでも俺こっち来て長くないから、アッチの方にあまり行ったことないんだよね」

奈「へーそう。だから標準語?」

俺「うん。慣れなくて」

奈「そう」

会話、と言えるものなのかすら怪しい会話だった。
この頃は奈々子みたいなタイプの人間は苦手だった。
不思議なもので、初対面で無理と思った相手なのに、
他のクラスメイトより仲良くなったりするものだ。






78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:33:35.20 ID:oFFEX5/E0
授業は終わり、放課後となった。
優介とお昼を食べつつ、部活の事を話した。
どうやら、優介はサッカー部に決めたようだ。
マネージャーをするつもりだ、と優介に伝えると、サッカー部に来いと言われた。
結局はサッカー部を選ばなかったが、
「サッカー部モテるから!マジで!!」にはかなり心が揺らいだのは覚えている。
優介が取っかえ引っかえ彼女を作るようになるのは、二年後のお話。

お昼を食べ終え、体操着に着替えて廊下に出ると、そこには体操着姿の雪音がいた。

俺「これから行くつもりだったんだけど、遅かった?」

雪「ううん。大丈夫。一人じゃ行きづらいかなって思って」

正直、行くの怖いな〜バックレたいな〜と思っていたのは内緒。

俺「そんなことないって。子供じゃないんだから」

雪「そう?ならいいんだけど。そうそう、アキがマネージャーになるの許可出たよ」

俺「えっ!?ホント?これから決めるんじゃないの?」

雪「前もって用紙作っておいて、さっき回収したの。
  んふふ〜。で、反対が半数以下でマネージャー決定っ」

とまぁ、あっさりマネージャー決定したんですが、
賛否の取り方が汚いというかズルイというか…
賛成or反対ではなく、賛成orどちらでもよいor反対の三択だったり。
内、賛成2割・反対2割・どちらでも6割。そりゃーどちらでも選びますよね。

今になって思えば、テニス部のマネージャーをやっていなかったら、
中学生活がガラリと変わっていたかな、と。







79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:36:24.89 ID:oFFEX5/E0
マネージャー初日はやけに緊張した。
まず、在籍の部員に自己紹介。
この頃から自己紹介というものが苦手だった。
趣味といえるほど打ち込んでいる物も無い、特技と呼べるほど熟練した物は無い、
話術があるわけでもない。
あまりに味気ない自己紹介になった上に、
「好きなことってなんですか?」という質問に対し咄嗟に
「家事です」と答えたのは今でも赤っ恥。

その後、先輩マネージャーに仕事内容を教わった。
主な仕事内容は、グラウンド及び備品の整理管理・練習メニュー通りに指示出し・練習の監視及び手伝い・その他雑務などなど。
思ったよりは仕事としては多くなく、ぶっちゃけ楽だった。
マネージャーとして仕事をしてるより、他の部員と雑談してる時間の方が長い、
というのがほぼ当たり前だった。

かといって全く仕事がないわけでもなく、それなりにちゃんとこなした。






80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:38:44.63 ID:oFFEX5/E0
中学に入学してしばらく経つと、しだいに慣れていった。
朝起きて登校し、授業を受け、放課後部活。
しばらくは特にコレといった事は起こらなかったが、
梅雨が始まる頃に少し変化が生まれた。

―部活中

俺「部長〜。こっちの練習終わりました。コートと交代です」

雪「うんわかった。『一旦、休憩〜。次、コートと外交代〜。』」

『ドリンク用意してあるんで、飲む人は声かけてくださいー。』と、
それなりにマネージャーも板についてきた。

雪「マネージャー慣れてきた?」

俺「それなりにね。○○さん(先輩マネージャー)が色々教えてくれるし、
  覚えることもあるからやりがいはあるよ」

雪「そう、ならよかった」

マネージャーになってから学んだモノ。
主に怪我などについて。
特に熱中症や捻挫等が起こった場合の対処法などだ。
保健室があることだし、本当に必要なのかと言われれば微妙だが、
自分が知っていたいと思ったので積極的に学んだ。
テーピングや熱中症のことは後々役に経つことがあったので、
知っていてよかったと思った。







81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:40:48.48 ID:oFFEX5/E0
「やーやー、部活頑張っているかい?青少年君」
と、後ろから冷えたタオルで顔を塞がれた。
犯人は、朱音だ。

雪「まだ帰ってなかったんだ?」

朱「生徒会でちょっと用事あってね」

俺「ん〜タオルありがと。すっごく気持ちいいや」

朱「どういたしまして。マネージャーも休憩しなきゃダメなんだよ?」

雪「ちゃんと休ませてますから。私がちゃんと見てるから大丈夫だし」

朱「いやーわからないよ?また、いつ崖から滑り落ちるかわからないし」

俺「崖ないしもう落ちないから」

朱「あのときはびっくりしたね〜。いきなり人が落ちてくるんだもん」

俺「あの時は知らなかったからね。正直、朱音がいなかったら大変だったかも」

朱「でしょ〜。感謝しなさいよ〜」

と、他愛もない会話をした後、朱音は「じゃね〜」と軽やかに去って行った。






83以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 15:42:06.70 ID:oFFEX5/E0
俺「部長、そろそろ休憩終わり?」

雪「ん〜そろそろかな。雨が降りそうだし一面片しちゃうかな」

俺「そうだね。じゃ、俺やっとくから。
  『○○さ〜ん、コート片すんで手伝ってもらえますかー?』」

雪「よろしく〜。『休憩終わりー。一面片すから次から二面ねー』」

先輩とコートを片付け終えると、雪音の予想通りに雨が降ってきた。
練習は中断し、部活は早めに終えることになった。
練習が嫌な訳ではないが、雨などで不意に中止になるとワクワクするものだ。
梅雨時とはいえ、傘を持っていない生徒も結構な数だった。
教室で着替え、顧問に提出するべき物を提出しに行くと、雪音にあった。






84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:44:36.15 ID:7na+nf8VO
葵ねぇルート
朱音ルート
雪音ルート
由利ルート
奈々子ルート
先輩マネルート

このエロゲはどこで売ってますか?






85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:45:37.12 ID:oFFEX5/E0
俺「部長、先生職員室?」

雪「うん、いたよ」

俺「ありがとう。おつかれさまー」

雪「うん、おつかれー」


言葉遣いに違和感があるかもしれないが、当時はこんな感じだった。
ただでさえ、距離感が微妙なものだったのに、その上同じ部活の先輩と後輩。片や部長。
その結果、部活中の呼称は部長。
言葉遣いとしてはいつも通りというチグハグなものになっていた。
自分としてはあまり気にしてはいなかったが、雪音のほうはそうではなかったようだ。







86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 15:47:43.84 ID:oFFEX5/E0
顧問に提出をし、職員室を出ると雪音がいた。

俺「あれ?帰ったんじゃないの」

雪「傘、持ってなくて。アキなら持ってるかなって」

俺「持ってるけど、置き傘だから小さいかも。職員室で借りれるんじゃない?」

雪「ん〜色々めんどくさいからパス。アキに入れてもらうからいいよ」

俺「別にいいけど、雪音さんの方が大きいから少し窮屈かもよ?」

ちなみに、当時俺160cm。雪音170cm前後。

雪「いいよ、別に。少しぐらい濡れたって気にならないし」

俺「それで雪音さんに風邪でも引かれたらこっちが気にするんだけど……」

少し気恥ずかしくも感じたのでやんわり拒否をしたのだが、結局押し切られた。






91以下、名無しにかわ りましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 16:03:14.03 ID:oFFEX5/E0
雪「あともうちょっとで一年だね〜」

俺「そうだねー。けっこうあっという間かも」

雪「私もそう感じるなぁ」

俺「ここに来たばかりって感じだし」

雪「私もアキに初めて会ったのつい最近って感じするもん」

俺「そう?」

と、話題は初めて会ったときのことになった。

雪「私と初めて会ったとき、私のこと朱音だと思ってんだよね〜」

俺「まぁね〜。だって双子だって知らなかったんだもん」

雪「で、怒ってる?だっけ。私の第一印象」

俺「え、いや…どうだったかな?あんま覚えてないや」

雪「ちゃんと朱音から聞いてるから〜」

俺「あー…ほら、でも朱音と比べて、だからさ。ハンカチも汚しちゃったしさ」

雪「へぇ〜、言い訳するんだぁ〜」

俺「え…あ…いや…ね?」
と、軽く攻められる。






92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:05:56.89 ID:oFFEX5/E0
雪「だったら私も朱音と一緒にしてよっ!!」

俺「えっ…いや……だから別に朱音を特別扱いしてるわk

雪「いいから!!とにかく、今日から「さん」付け禁止!!わかった!?」

雪音、傘を取り、腕を雨空へ伸ばす。
俺、届かない。

俺「別にいいけど…今更照れくさくない?」

俺、傘から外される。

俺「……えっと………雪音?」

雪「…もう一回。クエッションマークいらない」

俺「雪音」

雪「ごうかーくっ」


と、少し長くなったが、これがキッカケで雪音と前より近づいた感じがした。
やっぱ呼び名は大事だね。
もう一つの変化は、由利と奈々子だ。






93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:08:24.15 ID:oFFEX5/E0
由利と奈々子は俺と同じテニス部に入り、共に汗を流していた。
由利とは以前から仲が良かったが、奈々子とはクラスメイトの位置づけだった。
奈々子は相変わらず。俺に限らず、
他の子ともあまりコミュニケーションをとっていなかった。
クラスでも部活中でも必要性が有るとき以外は喋らない。
それに、一年生の中でも飛びぬけてテニスが上手かった。
それが災いしてか、部活の中でも浮いた存在になりかけていた。

今になって振り返れば、奈々子の性格は理解できる。
別に他人を拒絶しているわけではないが、自分から行くタイプでもない。
言うなれば超受身型。
お高くとまっているわけではないし、周りを見下しているわけでもない。
ただ、ちょっと他人との距離感を図るのが苦手な子。それだけだった。

しかし、中学生に理解出来ることではなかった。
それに、部活という女コミュニティーの中でそんな態度を取り続けていれば
どうなるかは考えなくてもわかる。

最悪、いじめ、だ。

結論から先に言うと、奈々子はいじめにあわなかった。

少し、奈々子とのエピソードに触れてみたいと思う。






94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:11:05.38 ID:oFFEX5/E0
期末テスト終了と共に始まる部活。
目指す物は夏の大会。
マネージャーなりに良い初日に、良いスタートを切ってもらおうと考えたわけであります。
さて、どうしましょうか、と下っ端マネージャーなりに考えてみたところ、良い妙案が。
テストで精神力を使いきった後では部活に集中できない。ならば補うまでだ、と。
それを補う物。ズバリ甘い物だ、と。

正直、今でもいい案だったと思っているんですよね。
それに、これのおかげで奈々子と接しやすくわけですし。
ただ、思いついたのがテスト最終日の寝る前だったというのが問題点だったのだと思う。






95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:15:02.37 ID:oFFEX5/E0
思いついたら即行動、
ということで寝る前に少しだけ下準備をしておこうと思いキッチンへ。
まず、作るものはスコーンとプリン。
これなら軽食+デザートなのでお弁当があっても負担にならない。
材料は十分。
プリンは最近作ってなかったので、お試しで数個作ってみることに。
プリンをオーブンで焼いている間にスコーンの生地を作成。
最初は数人分(雪音と他の仲良い人用)だけを作る予定だったが、
作っているうちに色々な味が作りたくなってしまい大変な量に……
生地の量から推定すると、最低でも五回はオーブンを回す必要が。(約15分)
どうせならプリンもいっぱい作っちゃえということで、材料が足りる分だけ作ることに。
と、ここで最初に作ったプリンをオーブンから出し、味を見てみようと思ったが、
冷やす必要があることを思い出した。

……冷やす?

大よそ、プリンは40個近い量がある。
オーブンを回す回数、スコーンを焼く時間、冷やす時間をもろもろ計算すると
「ギリギリじゃね?」

ということで泣く泣く徹夜。
全てが完成したのが登校時間ギリギリ。
葵ねぇが車で送ってくれたこともあり遅刻はしなかったが、
テスト中に貧血→保健室のコンボ。
結局、その日のテストは欠席扱いの後日補修。






96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:21:29.26 ID:D/gxaL6EO
い任△






97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:21:42.78 ID:oFFEX5/E0
保健室から這い出し、クーラーボックスとバスケットを両手に持ち、テニスコート へ。
テニス部員はテニスコート周辺でお昼を食べることが常になっており、
その日も部員がコート周辺にいた。
とりあえず雪音を探してみると、いつもと同じとこでお昼を取っていた。

俺「テストお疲れさま〜。○○先輩もお疲れ様です」
雪「あれ?部活休むって由利に聞いたんだけど?」
俺「もう大丈夫。ただの貧血だから」
雪「貧血?ホントに大丈夫なの?」
俺「うん。たぶん寝不足が原因だし」
雪「徹夜で勉強して寝不足でテスト受けれませんでしたじゃ意味ないでしょ……」

勉強、してませんでした。

雪「その荷物何?」
俺「んっふっふ〜。ちょっと景気付けに作ってみたんだ〜」
雪「なになに?」

中の物を見せると途端に表情が変わる雪音達。

雪「おーさすがだねぇ。これはみんなの分もあるのかな?」
俺「うん、足りると思うよ」
雪「それじゃありがたく頂くね」

雪音が『みんな〜デザートあるから集まってー』というと、ワラワラと集まる部員達。
甘いものに対する女性の執着心を思い知った気がした。







98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:25:31.95 ID:oFFEX5/E0
評判はそれなりに上々で、おいしいと言って食べてくれた。
ビックリしたのは、奈々子の様子。
いつもはあまり周りと話さないのだが、
プリンを食べながら周りの人と無邪気においしいとはしゃいでいた。
雪音も奈々子の方を見ており、俺の視線に気づくと「よかったね」と口だけで言った。
雪音がちゃんと奈々子の事を心配してくれてるのが嬉しかった。

その後、いつも通りに練習が始まった。
練習が始まってしばらくすると奈々子が話しかけてきた。

奈「ねぇ、あのプリンとスコーンって○○君が作ったの?」
俺「うん。レシピの見よう見まねで作っただけなんだけどね。あんまりおいしくなかった?」
奈「ううん。すっごくおいしかった。普通にお店で売ってそうな味だったよ」
俺「そう?ならよかった。おいしくなかったって言われたらそれなりに残念だし」
奈「ほっっんとにおいしかったよ。スコーンも色々な味があってどれを食べるか迷ったし」
俺「最初は一種類のつもりだったんだけど、作ってるうちに楽しくなっちゃって」
奈「そうなんだ!!私、チョコチップ食べたんだけど、
  オレンジとイチゴもおいしそうだったよ!!」







99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:28:45.12 ID:oFFEX5/E0
ここまで感情露に、テンション高い奈々子を見たのは初めてだった。
周りの部員達も驚いていたと思う。

奈「やっぱさ、普段から作って練習とかしてるの?」
俺「普段はあんまり作らないかなぁ。
  ウチの人はあまり洋菓子食べないから味見てもらえないし」
奈「そうなの?」
俺「うん。今日みたいに作っても味を見てくれるのは雪音の家だからね。
  そんなしょっちゅう作ってたら迷惑だし。
  それに気を使ってなんでも美味しいって言ってくれちゃうし」
奈「え〜?でもホントにおいしかったよ?」
俺「そう?ならよかった。また今度作ってきたら味みてくれる?」
奈「え!?いいの!?うん、食べる食べる!」
俺「じゃあ今度お願いね」

と、こんなことがキッカケになり奈々子との会話が多くなった。
その日の奈々子の様子を見てか、
他の部員達も奈々子に積極的に話しかけるようになり、
しだいに奈々子は浮かなくなっていた。
というよりは、みんなから「奈々子はこういう子」というふうに認められたのだろう






100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:32:27.64 ID:oFFEX5/E0
夏の大会は県大会三回戦で敗退した。
三年生が引退し、マネージャーが一人になった。
それもあってか、しばらくは部活に没頭するようになった。

季節は冬。
冬休みを利用してコートを補修することになった。
特にすることもなく暇を持て余していたので、神社へ顔を出した。

俺「こんにちわ〜」

神「おぉアキか。久しぶりだな」
といっておもむろに電話をかける神主さん。

俺「部活が忙しくて」

神「マネージャー一人で大変なんだってな。まー何事も力抜いてやれよ」

出されたお茶を啜っていると、外でバイクの音がした。

「おおいマー坊来たぞ。さっさともてなせー」と大きな声。
神「うるせーよソバ屋。クリーニング屋はまだかよ」

ソ「そろそろ来るんじゃねーのか」

神「先に三人でやってっか。てことでアキよろしく〜」

状況から察するに麻雀をやるのだろう。
ちなみに、神主さんとソバ屋とクリーニング屋は昔からの付き合いだそうで。






101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 16:34:55.55 ID:oFFEX5/E0
しばらくするとクリーニング屋登場。
ソバ屋とは何度か会話したことがあったものの、クリーニング屋とは初めてだった。
四人で打ちながらグダグダとあまり中身のない会話をしていた。

ソ「そーいやーアキ、おまえウチのと中学一緒だよな?」

俺「??」

ソ「○○中の一年だろ?△△って生徒いるだろ?」

俺「ん〜っと……あ、もしかしてその子テニス部?」

ソ「そう!そうだよ!!奈々子ってんだ」

俺「へぇ〜。△△さんとならクラス一緒だよ」

ソ「お、そうなのか。じゃあ、アレだ。テニス部のマネージャーしてる男のこと知ってるか?」

俺「知ってるっていうか俺なんだけど」

ソ「おまえか!!いや〜どんな奴なのか見てみたくてな」

俺「??」

ソ「まぁ気にすんな。娘と仲良くしてくれな」






110以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 17:16:20.32 ID:oFFEX5/E0
東場、南場と一局が終わった。
結果としては一位クリーニング屋、二位俺、僅差で三位神主、飛び寸前四位ソバ屋。
そろそろお仕事に戻りますか、ということで解散となった。
解散の間際、ソバ屋がある提案をしてきた。
それは、冬休みの間バイトをしないか、というものだった。

俺「いや、でも中学生はバイトだめでしょ」

ソ「そうだよな〜………アキ、お前料理好きなんだって?」

俺「好きってわけではないけど嫌いじゃないかな」

ソ「だったら蕎麦の打ち方とか教えてやるから、冬休みの間ウチに通えよ!な!!な!!」

という条件を出され、密かに興味があったので思いっきり釣られてしまった。
今思えば、奈々子と少しでも仲良くさせようとしていたんだと思う。
(周囲にあまり馴染めて居ない事を心配していたのだと思う)






107以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 17:10:26.92 ID:oFFEX5/E0
一応、祖父母と葵ねぇに話をしたところ「年越し蕎麦期待している」とのこと。
無論、やる気満々の俺は早速次の日から行くことにした。
初日は打ち方ではなく、蕎麦及び揚げ物について色々教わった。
次の日も同じ時間に行くと、店内に奈々子がいた。

俺「あれ、○○さんお手伝い?」

奈「そうじゃないけど……○○君が来るから顔出してみようかなって」

俺「そっか。恥ずかしいからあんまり周りに言わないでね」

奈「うん」

前に比べれば随分トゲトゲっぽさがなくなり、柔らかい感じになっていたと思う。
その後、厨房へ行き色々と教えてもらった。
奈々子がこっちをずっと見ていた。
が、熱心に教えを受けていたので、それに気づいたのは帰る間際だった。







112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 17:19:50.76 ID:/bwbCVPn0
俺が昔、夕焼けだった頃

弟は小焼けだった

父さんが胸焼けで

母さんが霜焼けだった

わかんねぇだろうな〜







114以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 17:24:52.84 ID:oFFEX5/E0
その後、数日間ソバ屋へ通った。
奈々子も店内に毎日顔を出していて、作った蕎麦や蕎麦汁の味見をしてもらったりした。
最終的にはそれなりになり、ソバ屋が古くなっている道具一式をくれた。
変わりに、夜の営業を少し手伝うことにした。
といってもひたすら皿洗い。
手伝いを終えお礼を述べた後、店外へ出ると雪が降っていた。
自転車に跨り帰るとすると、奈々子に呼び止められた。

奈「ねぇ、明日は来ないの?」
俺「うん。一応一通りできるようになったし、大晦日まで厄介してたら迷惑でしょ」
奈「そっか……じゃ、じゃあさ……」
俺「うん?」
奈「明後日、もし良かったら○○神社に初詣に行かない?」

もちろん、○○神社とはウチのご近所に住んでいる
サボリ癖のある神主さんがいる神社のことだ。

俺「えっとー…○○神社って雪音の家なの知ってる?」
奈「えっ…!?そうなの?」
俺「うん。それで、俺も手伝う予定になっててさ……」
奈「そう、なんだ…」
俺「ごめんね。誘ってくれて凄く嬉しいんだけど、前から朱音に手伝うって約束しちゃってて」
奈「そっか。なんか逆にゴメンね」
俺「いやいやいや。こっちがゴメンだよ。あ、でもよかったら神社来てね」
奈「……うん」
俺「それじゃあね」
ちょっと悪い気がしたが、どうしようもなかった。
ただ、奈々子が誘ってくれたのは純粋に嬉しかった。






115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 17:27:55.74 ID:oFFEX5/E0
大晦日に奮ったソバは評判がよかった。
天麩羅が以前に比べ上手に揚げれるようになったのは嬉しかった。
元旦は神社の手伝いをした。
悔やまれるのが、当時の俺は巫女属性を持っていなかったことだ。

冬休みが終わり、寒さがよりいっそう厳しくなる頃。
見事、朱音と雪音は志望校に合格した。
二人とも同じ公立高校で、自転車で10分ほどの距離という高校だった。
偏差値の方も、地域内の共学公立高校の中でトップであり、所謂進学校だった。

そして、卒業を迎えた。
朱音と雪音は新一年生に。
俺は二年生になった。






117以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 17:32:29.26 ID:oFFEX5/E0
優介の出番がないので、ここで少し触れさせてもらいます。

二年生になり、一個下に後輩が出来るようになった。
優介と由利とは別のクラスになったが、奈々子とは同じクラスだった。
テニス部には新しい部員と新マネージャー二人が加わった。
五月に入る頃、テニス部にマネージャー希望の男子が二人来た。
女子マネージャなら諸手を上げて歓迎だが、男子だったので少し考える必要があった。
とりあえず、部長と俺が一度話を聞いてみることになった。







118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 17:36:30.23 ID:oFFEX5/E0
ある日の放課後、空き教室で俺・部長・男A・男Bで話をしていた。
正直、俺としてはこの二人をマネージャーとして加えることに賛成できなかった。
まず、明らかに見た目がチャラい。
俺が言うのもアレだが、どう考えてもテニス部の女子目当てにしか見えなかった。

途中、部長が顧問の先生に呼ばれ席を外した。
すると、

男A「この感じならいけるんじゃね?」

男B「余裕だろ余裕w」

俺「………」

男A「つーことで先輩よろしくおねがいしますよw」

男B「よろしくっすwこれで彼女とか余裕だろw」

男A「だよなだよなwww○○(一年生でカワイイと評判の子)絶対落としてやるwww」

男B「うっはーw俺は年上狙うわwww」

男A「あ、もしかして先輩も誰か狙いでマネージャーやってるんすか?www」

男B「誰っすか?w言っといてくれればその人には手を出さないんでwww」

俺「………」

頭に来たとかよりは『うわーこいつら頭悪いんだな』という感想しかなかった。
マセガキが。






119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 17:40:57.80 ID:oFFEX5/E0
しばらくすると部長が戻ってきた。
後日、部員内で話し合い、その結果を伝えることになった。
特に反対すべき材料がないため、この時点では実質的に決まりだった。
すでに男マネージャーがいるため、むやみに拒否できないとのことだった。

部長「ねぇ、どう思う?」

俺「俺が言うのもアレですけど、反対ですね」

部長「だよねぇ〜。どう考えても邪な事考えてますって顔だしねぇ」

俺「まーそうなんじゃないですか」

部「アキみたいに無害そうな子なら問題ないんだけどね。
  けど断るって言っても理由がないからなぁ…」

どうやら部長もあまり気が進まないようだ。
ならば、ということでちょっとしたものを見せることにした。






120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 17:43:26.55 ID:oFFEX5/E0
大会などで試合を録画するために、テニス部にはビデオカメラがあった。
テープの管理などもマネージャーの仕事であり、
その日はたまたまテープの整理をしていた。
整理をしているときに部長に呼び出され、空き教室へと行った。


『話しの内容とか知りたがる人もいるだろうからビデオにとっておくか』

と思い、男ABが来る前に必要ないテープをセットし、ビデオを回しておいた。


それを部長に見せると、親指を立て『よくやった!!』と言われた。
無論、マネージャーの件はお流れになった。

テニス部の方は火種を抱えずにすんだ。
ただ、俺が火種を抱えるハメになった。






121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 17:50:01.82 ID:oFFEX5/E0
その後、男ABはサッカー部に入ったようだった。
ただ、マネージャーの件を根に持っていた。
それから、一年生の一部から攻撃的な批判を浴びたりなどするようになった。
部活のランニング中に邪魔をされたり、水をかけられたりすることもあった。
物品的な被害は受けなかった事が唯一の救いだった。

ある日、全校集会が開かれた。
その時、何か賞を取った人に賞状の授与があった。
書道の方で俺の作品が展覧会に送られていた事を思い出していると、
案の定名前が呼ばれた。
校長先生から直々に賞状を受け取ると、一年生の方から野次が飛んできた。
スルーするのも情けないと思い、とりあえず手を振った。
それにムッと来たのか、野次がさらに酷いものになった。
司会進行の先生が注意し、そのまま集会は進み、終わった。






122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 17:54:47.53 ID:oFFEX5/E0
集会が終わり解散になると、また一年生が騒ぎ始めた。
正直、辟易していたのでそそくさと教室に戻ろうとすると

『いいかげんにしろよゴルァァァ』という叫びが聞こえた。

声の方を見てみると、騒いでいた一年生と優介の姿が。

次の瞬間、優介が男Bの顔面に思いっきり殴る。
一緒に騒いでいた男子の腹をキック。
周りをキョロキョロし、何かを見つけ移動。
その先に男Aが唖然と突っ立っており、近づいて顔面にパンチ一発。
床に倒れた男Aの腹に足を起き、

優「なぁ、アイツがお前らに何かしたのか?」

男A「別に…」

優「お前が勝手にマネージャーのことで逆恨みしてるって聞いてんだけど」

男A「………」

騒ぎに気づいた教師が止めに入り、優介を抑え、職員室へ連れて行こうとした。

優「次、何かするときは覚悟しろよ」

と言うと、優介は素直に職員室へ向かった。






126以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 18:11:46.78 ID:R/pUtThBO
こんな中学生活なら、人生変わってたかもわからん






129以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 18:20:27.58 ID:oFFEX5/E0
その後、俺も職員室へ呼び出され、色々と話をすることに。
マネージャーの件のいきさつを話すと、
先生方も一年生からの一方的なものだと理解してくれた。
優介についても特にこれといった処分は出さず、厳重注意で終わった。
男ABについては部活動参加禁止。
さらに一緒に騒いだ生徒全員にボランティアの強制参加と反省文提出とのこと。
職員室から出ると、隣の説教部屋から出てくる優介と偶然出くわした。

俺「お前なにやってんだよw」
優「いやーなんかアキが一年から色々言われてるって聞いてさ。
  しかも中心のやつがサッカー部らしいからさ」
俺「だからって集会の時はよくないだろ。体育館裏に放課後が定番じゃね?」
優「だよなwつーか、なんでアキは何も言わなかったわけ?」
俺「ただの逆恨みだし何言っても意味無いだろ〜。
  向こうが飽きるまで待つのが一番楽だし」
優「あーだったら余計な事したかもな」
俺「いや、他人に解決してもらうのが一番楽だからw正直、助かったわ」
優「だろ。今度お礼にこの前の作ってきてよ」
俺「あーあのパウンドケーキ?プレーンとチョコ味のどっち?」
優「チョコ味で!」
俺「りょーかい」

サッカー部入ってから優介はチャラくなったが、内面は前と変わらずいいやつだった。
今は進む進路が違うが、たまに連絡を取って遊んだりしてる。
俺にとって一番の友達は優介だと思う。






130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 18:24:40.92 ID:oFFEX5/E0
夏休み前に例の男ABが謝りに来た。丸坊主で。
どうやら、一年女子の一部(主にテニス部関連)に目の敵にされているらしく、
○○さんと付き合うのも絶望的だとか。(優介談)
部活に参加できないのが思いのほか辛い、だとか。俺には関係ない。
サッカー部の顧問と話をし、月二回のボランティア参加を条件に部活参加が認められた。

その後の中学二年生の生活は穏やかだった。
勉強に勤しみ、部活に精を出し、行事で燃えた。
何故か一年生に人気が出て、初めてのラブレターやら告白されるといったことがあった。






132以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 18:29:46.95 ID:oFFEX5/E0
三年生が卒業し、とうとう自分が三年生になった。
同じクラスには優介・由利・奈々子がいた。
由利と奈々子はすっかり仲良しになっていた。
優介は既にチャラ男だったが、性格は以前と変わらないいいやつだった。

三年の夏。
大会前。
この大会が終わると、俺のマネージャーとしての仕事も終わる。
他の部員も大会に向け燃えていた。






133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 18:33:38.40 ID:oFFEX5/E0
既に地区大を終え、次は県大会だった。
県大会には団体戦とシングルス・ダブルスが一組ずつ進んでいた。
正直、ダブルスと団体戦では全国大会へ進むのは難しいと思っていた。
けど、俺はシングルスなら、奈々子ならきっと全国大会へ行けると期待していた。

奈々子は小学生の頃からテニスをやっていたこともあり、
入部当初から準レギュラーに匹敵していた。
二年生になってからは練習に力を入れるようになり、テニスの腕もどんどん上がっていた。
俺も素人なりにテニスの知識を付けたり、
練習をビデオに取りチェックしたりなど、微力ながら協力した。
奈々子が一生懸命に練習していたことは誰よりも知っていたので、
少し贔屓にはなるが奈々子には勝ってほしかった。

大会まで後五日。
部員の一人が練習中に日射病にかかり倒れた。
幸い、軽度の日射病だったため一日安静にしてれば大丈夫のことだった。

ちなみに、倒れたのは、俺。






134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 18:36:51.78 ID:oFFEX5/E0
練習を抜け、保健室で休むことになった。
部活の方は二年生と一年生のマネージャーに任せておけば問題ないので、安心だった。
睡眠不足に部活の疲労、
その上クーラーという非常に素晴らしい環境だったので熟睡できた。

話し声で目が覚めた。
壁に掛けられた時計を見ると17時を過ぎていた。
体の方もすっかり良くなっており、ベットから降りようとして落ちた。
仕切られていた白いカーテンを開けると、由利と奈々子がいた。






135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 18:38:03.09 ID:R/pUtThBO
マネが倒れたかwwwwwwwww


>>135
もやしっ子だったからな!!






137以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 18:41:32.77 ID:oFFEX5/E0
由「おっ、もう大丈夫なの?」
俺「うん。大丈夫」
奈「おはよう」
俺「おはよう。練習に迷惑かけちゃったかな?大丈夫だった?」
奈「うん。模擬戦のビデオあるから一応アキにチェックしてほしい」
俺「わかった。明日の練習までにチェックしとく。テープは?」
奈「これ。あと、さっき先生がポカリ買ってきてくれたから、一応飲んだほうがいいよ」
俺「ありがとう〜。ゴクッゴクッ……ぷはぁ〜。うーん、冷えてて美味しいや」
奈「あっ、私も飲みたいかも」
俺「どーぞ。練習中にもちゃんと水分取った?」
奈「ありがと。保険の先生が気をつけるように言ってたから大丈夫だよ。
  ……ふぅ。やっぱ粉よりコッチの方が美味しいね」
由「……私も、飲みたいかも…」
奈「あっ、ごめん。全部飲んじゃった。」
由「……」
俺「いいって。俺はもう大丈夫だから」






138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 18:44:21.00 ID:oFFEX5/E0
奈「じゃあ私、先生に言ってくるね」
俺「ありがと〜。保健室閉めたほうがいいのかな?」
奈「後で先生がチェックするから、そのままで良いって言ってたよ」
俺「そっか。じゃ、お願いね」
奈「うん」


由「………ジッー」
俺「うん?」
由「なんかさ、アキとナナって仲いいよね」
俺「そう?他の人と変わらなくない?」
由「女の子と比べればね。けど、ナナって基本男子と喋らないじゃん。
  でも、アキとは普通に話してるじゃん。」
俺「ん〜…まぁ部活一緒だしねぇ」
由「それに下の名前で呼んでるし、さっきだって妙に親しげだし…」
俺「由利だって下の名前じゃん。奈々子の場合は苗字だと混ざるからだし」
由「誰と?」
俺「奈々子のお父さんと」
由「えっ!!何!?知り合いなの?」
俺「知り合いっつーか、奈々子ん家行って話すぐらいだけど」






139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 18:46:32.50 ID:oFFEX5/E0
奈々子を名前で呼ぶようになったのには、あるキッカケがありまして。
ざる蕎麦のことで話を聞きたく、放課後ソバ屋に奈々子と一緒に行ったことがある。
その時、ソバ屋と奈々子を両方とも「苗字+さん」で呼んでおり、
ソバ屋に紛らわしいと言われたのがキッカケ。
なんつーしょうもないキッカケだったんだよ、と思う。

由「ナナの家行ったことあんの!?なんで??」
俺「なんでって言われても……」
由「どっち!?ナナが誘ったの?それともアキ?」
俺「……」

ちょっとしつこさにイラッとしていた。
それと、ソバ習いに行ってたって言うのが恥ずかしかったってのもあった。

俺「プライベートな話」
由「なにそれ……」
俺「そーゆー事。詮索厳禁」

ガラガラッと音を立て、ドアが開いた。

奈「アキ〜、先生が話あるから職員室に顔出せだって」
俺「りょーかい。長くなるかもしんないから先帰ってて」
奈「わかった。また明日ね」
俺「お疲れ様。明日は10時からだから昼飯忘れずに〜」
奈「ばいばい〜」
由「………」

手を振りながら保健室を出て、職員室へ向かった。






141以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 18:48:31.87 ID:oFFEX5/E0
職員室に行くと、保険の先生と顧問がいた。
他人ばかりではなく自分の体調も考慮しろと軽いお叱りを受けた。
それと、明日の練習は午後から参加で、午前中はしっかり休養しろと言われた。
とりあえずテキトーに頷き、そそくさと職員室から逃げた。

実際、自分でも疲れていると思っていたので、
スーパーで買い物をすませ、素直に帰宅した。
葵ねぇにも倒れたと連絡が入っていたらしく、しっかり体調管理しろとお叱りを受けた。
晩御飯に好物が並んでいたのは、葵ねぇの優しさだと思う。






142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 18:50:59.09 ID:oFFEX5/E0
次の日は言われた通りに午後から練習に参加した。
午後から参加したのにも関わらず、顧問に注意された。
どうやら、休養せずに差し入れのババロアを作っていたのが問題らしい。
ババロアのほうはそれなりに好評だった。

その後はいつものようにマネージャーの仕事をこなした。
部活が終わり、ちょっとした雑務を片付け、帰ろうとすると由利に呼び止められた。







151以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 19:54:59.85 ID:oFFEX5/E0
すまない、明日のことで色々と話してた。
続き行きます

由「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど」
俺「何?」
由「アキってさ……別にナナと付き合ってるわけじゃないんでしょ」
俺「はぁ?そんなの当たり前じゃん」
由「じゃあさぁ…アキはナナのこと好きなの?」
俺「ん〜そうだねぇ……嫌いじゃないし勿論好きだよ」
由「どういう意味で?」
俺「友人ってよりは同じ部活の仲間としてって感じかなぁ」
由「あっそう……じゃ、じゃあ、私はどう?」
俺「ん〜同じかな」
由「私とナナだったらどっちの方が好き?」
俺「どっちも一緒。マネージャーは部員皆が大事なんです」
由「そうじゃなくて……じゃあさ、もし。もしの話だけど、
  私とナナがアキに告白したら、どっちと付き合う?」
俺「はぁ?そんなの考えたことないし」
由「じゃあ考えてよ!!」






152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 19:56:25.12 ID:aZAfMTA3O
やっと色恋になってきたか






153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 19:58:38.86 ID:oFFEX5/E0
俺「考えてって言われてもわかんねーって。
  まず、二人一緒に告白されるってケース事態考えにくい」
由「いや、まぁそうだけどさ…」
俺「それに、もし二人一緒に告白されたとしても、
  どっちも選べなくて両方断るってのが自然じゃない?」
由「もしくは二股かける、かぁ」
俺「だろうね。たぶん優介ならそう言うし」
由「言いそう……じゃあさ、もし私がアキに告白したらどうする?」
俺「どうだろ…わっかんねー」
由「わかんない?それって付き合うか迷うってこと?」
俺「だろうね〜。………あーでも付き合わないかも。
  前に優介に聞いたんだけど、異性に「もし、私が告白したらどうする?」って聞いて
  「わかんない」って言われたら脈ナシなんだって」

由「…え?」
俺「だから、たぶん迷って結局は付き合わないと思う」
由「………そう、なんだ。そっか」

『○○〜、マネージャーの○○〜、まだ帰ってないなら職員室来い』と、
顧問から急な呼び出し。

俺「それじゃ、また明日な」
由「あーうん。バイバイ」

当時は、遠まわしに告白されてるとは全く気づいてなかった。
恋とかに対して全くの無関心・無知識だったのが原因だった。






154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:01:08.14 ID:oFFEX5/E0
そして大会を迎えた。
先に結果を言うと、全て県大会敗退だった。
期待をしていた奈々子は、二日前に負傷した左足の調子が悪く、
三回戦で負けてしまった。
そしてそのまま部活を引退。
部活動から受験勉強へと否応無しにシフトした。







155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:04:29.13 ID:oFFEX5/E0
秋になっても脱力感が付き纏った。
下級生に取っては迷惑以外の何物でもないが、時々部活に顔を出していた。
特になるをするわけでもなく、ただ練習風景をぼ〜っと見たり、部員と会話したりなど。
たぶん寂しかったんだと思う。

11月を過ぎた頃から部活に顔を出さなくなった。
かといって勉強に精を出していたわけではなかった。
学校が終わると海辺に行き、日が落ちたら家に帰る。
そんなことを繰り返していた。







156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:10:02.11 ID:oFFEX5/E0
その日も、いつものように海辺にいた。
日が沈むまで、自分が一番好きな景色を見ていた。
初めて見たときとは日の沈む位置が違っていたが、
素晴らしい景色には変わりがなかった。
太陽が半分になり、地面に寝転んだ。
どうすっかなぁ〜と色々と考えた。


「おやおや青年、迷ってますなぁ」
誰かの声がした。






157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:12:47.63 ID:oFFEX5/E0
声を方に視線を向けると、中学校とは違う制服に身を包む女性がいた。
朱音だった。
電話やメールは頻繁にしていたが、会うのは久しぶりだった。

朱「あーちゃん迷ってますなぁ」
俺「そうだね」
朱「ゆきちゃんも部活引退した頃はつまらなそうにしてたからねぇ」
俺「そうなんだ?」
朱「そうだよ。放課後、校舎からコートの方を覗いたりしてたし」
俺「だったらきてくれればよかったのに」
朱「ゆきちゃんなりに考えがあったんじゃないの〜。
  それで、あーちゃんはどうしたのかな?」
俺「なんかさぁ、今まで部活のことばっか考えてたから。
  それが無くなって空っぽになったのかも」
朱「なるほどぉ。部活一生懸命やってたらしいね。ゆきちゃんがそう言ってたよ。
   あの子、前の三年生が引退するまでずっとあーちゃんの様子聞いてたから」

俺「そうなんだ。とくに叱られなかったってことはそれなりに役に立てたのかなぁ」
朱「いっつも嬉しそうにあーちゃんの様子を喋ってたけどねぇ。
  あーちゃんがタメか一つ下だったらいいのにってずっと言ってたし」
俺「そっかぁ。まーでも昔の話だよねぇ……。これからどうするかが問題だなぁ」






158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:15:19.31 ID:oFFEX5/E0
朱「受験はするんだよね?」

俺「そのつもり」

朱「今の学力的にどの辺ぐらいなら狙えるの?」

俺「一応、公立なら○○高(朱音と一緒の高校)、
  私立なら△△高ぐらいなら行けるって言われた」

朱「へーすごいじゃん。勉強頑張ったんだ?」

俺「そーゆーんじゃないんだけどねぇ。部活ばっかで成績なんか気にしてなかったし……」

朱「あーちゃんは熱中しすぎだからねぇ。
  で、それがなくなっちゃうと長く充電しなきゃダメなんだよね」

俺「そうかな?」

朱「そうだよ。なんだって一生懸命やるのが良い所だし危ない所なの」

俺「じゃあ、まだ充電中なのかなぁ」

朱「ちょっと測ってみよう」

急に顔を近づける朱音。
どんどん距離が短くなっていった。
20cm……10cm……5cm……
そして、0cm
オデコとオデコが触れ合った。






159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:17:44.38 ID:oFFEX5/E0
朱「うーん……」

俺「すっごく近いんだけど」

朱「うむ。う〜む……」

パッと額を離す朱音。
おもむろに俺の後ろへと座る。
そのまま腕を前に回してくる。

俺「なにがしたいの?」

朱「そくてーい」

朱音はそう言うと、前に回した両手で俺の頬をぐにゃぐにゃと蹂躙した。

朱「んふー。やわらかいなぁ。相変わらず肌キレイだよねぇ」

俺「ってゆーかちょっと痛いって」

予想外なことに、朱音はアッサリと手を離した。
そして、その手を首の前でクロスさせ、肩に顔を乗せてきた。






160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]: 2009/03/31(火) 20:19:09.75 ID:enRwXJz00
なんというエロゲ






161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:20:39.95 ID:oFFEX5/E0
朱「あーちゃんはさぁ、自分のしたいようにしろって言われて迷ってるんでしょ?」

俺「……」

図星、だった。
部活を引退した後、祖父母と葵ねぇと進路について話し合った。
俺の「どうするのがいいかな?」という意見に対し、三人の回答は一緒だった。
「やりたいようにやればいい。迷惑も労力もお金も気にするな。
 アキが選んだ道が、私達が望む選択肢だ」
自分の事を考えてくれる家族が嬉しかった。
嬉しかったが、自分のやりたいことがわからなかった。

朱「あーちゃんってさぁ、自分が食べるためにお菓子作ったりしないでしょ?」

俺「練習としてなら作るけど、それ以外はないかなぁ」

朱「葵ねぇがいるときはちゃんとご飯作るけど、
  一人の時はカップ麺とかコンビニしちゃうでしょ」

俺「たぶん」

朱「ほら、ね。あーちゃんはさ、誰かのためなら頑張れるけど、
  自分のためだとダメなんだよね」

俺「そうなのかな?」

朱「そうだよ。いっつも人のお願いには全力なのに、自分のことだと手抜いちゃうんだから」

俺「そうなのかなぁ。でもさ、頼られたら出来るだけ力になりたいでしょ?」

朱「そんなの当たり前だよ。でもね、自分の事もちゃんと考えなきゃいけないんだよ?」

俺「そう……なのかもね。自分のこと考えてなかったのかなぁ」






162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:22:43.66 ID:oFFEX5/E0
朱「それにね、あーちゃんが『助けてあげたいっ』って思う人は、
  向こうもあーちゃんを助けてあげたいって考えてるよ」

俺「そうなの?」

朱「そうだよ。私だってあーちゃんの力になりたいって思ってるし、
  困ってる時は助けてほしいもん」

俺「朱音が困ってるなら力になるよ?」

朱「私もあーちゃんに助けてほしいよ。
  でも、肝心なときにあーちゃんがふらふらだったら助けてもらえないし、
  もらおうとも思わない。
  私が助かってもあーちゃんが困っちゃうなら意味がないの。
  あーちゃんだってそう思うでしょ?」

俺「そりゃそうでしょ。相手に迷惑かけるなら自分だけでなんとかするよ」

朱「でしょ?でもね、あーちゃんはそれと同じことしてるんだよ?
  いっつも自分の身を削って周りを助けて……
  部活中に倒れたことあるんでしょ?そーゆーことなんだよ?」

俺「あれはただの睡眠不足だって」

朱「睡眠不足になったのは部活が原因でしょ?」

俺「まあ、ね…」

朱「あーちゃんはずっとふらふらだったんだよ。なのにずっと頑張ってたんだから。
   ずっと心配してたのに無理するんだから。ずっと…心配してたんだから……」

気が付くと、朱音の頬と俺の頬はくっついていた。
そして、その頬に水が流れた。






163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:25:23.31 ID:oFFEX5/E0
俺「ちょ、なんで泣くのよ」

朱「……だって、…グスッ、心配してたんだもん」

俺「ごめんね、無駄な心配かけて」

朱「ゆきちゃんもずっと心配してたんだから。簡単に許さないもん」

二人の優しさが凄く嬉しかった。
自分の事を考えてくれている人がいることは、本当に嬉しいことだ。

俺「ねぇ、朱音。高校楽しい?」

朱「それなりに。いまひとつ物足りないけど」

俺「来年、俺もその中に入っていいかな?
   一年間だけだけど、前みたいに朱音と雪音と一緒の学校に通いたい」

朱「……うん。私も、あーちゃんがいないと嫌だ」

俺「うん、頑張るね。なんとかしてみせるよ」

肩から重荷と心地よい重みがなくなった。
頬は離れ、温もりが残った。
顔を横に向けると、朱音が微笑んでいた。
朱音の顔が近づいてきて、距離がどんどん縮まった。
そして、ぶつかった。衝突。


―――唇と、唇が。






164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 20:27:21.05 ID:oFFEX5/E0
思わぬ事態に唖然とする俺と裏腹に、朱音はいつもどおりだった。
いや、いつもより明るくて楽しそうだった。

朱「それじゃ、勉強頑張りなさいよ。合格のお祝い、先にしちゃったんだから」

俺「………」

朱「じゃーね。ばいば〜い」

朱音の姿が遠ざかっていき、見えなくなった。
日が沈んだ海辺で決意をし、ようやく重い腰を上げることに成功した俺は、
今度は歩き方を忘れたみたいだった。
しばらく、呆然と突っ立っていることしか出来なかった。







173以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 21:00:18.40 ID:gqFKADTT0
こんな人生なら30歳で死んでもいい
支援






174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:01:36.43 ID:oFFEX5/E0
色々悩んだ末、俺が横を向いたから頬にしようとしたのが唇になってしまった、
と都合よく解釈することにした。
日も落ち、辺りも暗くなり冷えて来たので、家に帰ることにした。
葵ねぇに進路の事を話し、周りに大分遅れたスタートを切ることにした。

年を越しても受験に向け必死に勉強した。
担任に進められ一応推薦を受けてみた。

あっさり受かった。







177以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 21:04:45.70 ID:oFFEX5/E0
とりあえず結果だけ見て、帰ったらすぐ願書出して勉強して……
と当たり前のように考えていただけあって、ビックリというよりは拍子抜け。
とにかく、書類を貰うために並んでいる間に、家に合格の報告をすることにした。

葵「もしもし」

俺「なんかさー受かってたんだけど」

葵「そっか。よかったじゃん。書類貰ってこなきゃいけないんだよ?」

俺「うん。いま並んでる。一度、学校に顔出してから帰るから」

葵「わかった。鍵持ってるよね?もしかしたら外出してるかも」

俺「うん。買い物だったら帰りにするよ?」

葵「違う。ちゃんと○○さんと○○さんに報告しなさいよ」

俺「わかった。それじゃーね」

お祖父ちゃんとお祖母ちゃんに電話をすると、よくやったなと労いの言葉を送ってくれた。






178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:08:01.69 ID:oFFEX5/E0
書類を貰い、そのまま学校へ向かい、職員室に顔を出した。
他の生徒が担任と話をしており、耳に入れないほうが良いだろうと思い、待った。
しばらくすると話が終わったように覗えたので、担任に報告しにいった。

俺「せんせい〜、なんか推薦受かってました」
先「ほんとかっ!?すごいじゃないか!よくやった!!」

先生が『○○が、○高の推薦受かりました』というと、周りの先生達が拍手をしてくれた。

俺「はぁ。あんま実感湧かなくて」
先「一般しか視野に入ってなかったみたいだからなぁ。まぁ、なんにしてもよかった。
  おめでとう」
俺「ありがとうございます。小論文の補修をしてもらって、すごく助かりました」
先「おっ、そう言われると嬉しいなぁ。しっかしすごいなぁ〜。
  ○高に推薦で入るのは難しいからな」
俺「そうなんですか。そういえば、合格人数は少なかったかな?」
先「一応トップレベルだからな。去年は合格者いなかったぐらいだからな」
俺「そうなんですか。運がよかったんですかね」
先「んーまぁ、お前の実力だ!って言えればいいんだけど、巡り合わせってのもあるからなぁ」
俺「ですよねー。他に何人か受けてるって聞いたんですけど、他に誰か受かりました?」
先「それは言えないな。(……いまのとこ、○○(奈々子)は合格した。
  他はたぶんダメだったんだろう…ボソボソ)」
俺「それじゃ、教室に顔出して帰ります」
先「おう。ゆっくり休めよー」






180以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 21:10:22.93 ID:oFFEX5/E0
教室に行くと何人かクラスメイトがいた。
願書を書いてる者、喜びを噛締めている者。
推薦に落ちてショックを受けている者はいなかった。

「よう、アキ。どうだった?」

俺「ん、なんか受かってた。優介は?」

優「余裕余裕。スポーツ推薦なめんなって」

俺「へーよかったじゃん」

優「まぁな。つーかお前の方こそすごいだろ。○高って去年合格者いなかったんだろ」

俺「らしいねー。去年合格者取らなかったから、今年の基準甘くしたんじゃね?」

優「意外とあるかもなw まーなんにせよよかったな。
   っと、一応職員室に報告しにいってくるわ」

俺「いってこいー」






181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:13:12.28 ID:oFFEX5/E0
奈「アキ……受かったって聴こえたけどホント?」
俺「うん、受かってたみたい。奈々子も受かったんだって?おめでとう」
奈「うん。アキも、おめでとう」
俺「ありがとう」
奈「これで一緒の高校だね。ほっんとに嬉しい。あーもう、ホントにうれしいや」
俺「そうだね。一足早く勉強から抜けれるし」
奈「だね。あーこれでまたアキと一緒に通えるんだ。ね、ね、高校でも仲良くしようね?」
俺「そりゃもちろん。クラスとかも一緒だと安心できるよね」
奈「だね、だね。あ、芸術選択。アキ何するつもり?」
俺「うーん……美術か音楽かなぁ。あーでも美術だと作品展示されたりしそうだなぁ……
   たぶん音楽かなぁ」

奈「音楽だね!?私も音楽にするつもりだから。もし気が変わったら教えてね」
俺「わかったー」
奈「あー……あのさ、アキってこのあと時間ある?」
俺「うーん。そうだね、大丈夫だと思う」
奈「だったらさ、よかったらウチによってかない?お父さんもアキの合否知りたいだろうし…」
俺「いいね。みーちゃん(ネコ)とも遊びたいし。少し顔出させてもらうよ」






182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:15:14.10 ID:+SdFpDhWO
俺生まれ変わったらこんな青春送りたい






183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:16:50.43 ID:oFFEX5/E0
クラスを後にし、奈々子の家へと向かった。
店先から顔を出すことにした。

「いらっしゃい。お、アキか」

俺「ども、こんにちわ。気にかけてくれてたみたいなんで、一応報告しに来ました」
ソ「そうか。奈々子は一緒じゃないのか?」
俺「家のほうに荷物置いてくるって言ってました。んで、一応受かりました」
ソ「おっ、よくやったな。奈々子も受かってアキも受かって、ほんとにめでてぇな」
俺「まー俺の方はたまたまみたいなもんなんですけどね」
ソ「たまたまでも受かったんじゃねぇか。そうだ、昼飯食っていけよ」
俺「あー悪いんでいいです。ちょっとみーちゃんと遊んだらお暇しますんで」
ソ「んなこと言わないで食ってけ。いらっしゃ…奈々子か、合格おめでとうな」
奈「ありがと。アキの聞いた?」
ソ「おう。アキと同じ高校でよかったじゃねぇか」
奈「うん。アキ、みーちゃんと遊んでく?」
俺「うん。それじゃ、家の方に少し上がらせてもらいますね」
ソ「おう。一時間後に家に飯もって行くから帰るんじゃねーぞ。奈々子も帰すんじゃねーぞ」
奈「うん。私の分もね。アキと同じのでいいから」
俺「あーじゃあ、お言葉に甘えて頂きます」






184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:19:32.05 ID:oFFEX5/E0
店を出て、家の方に上がらせてもらった。

奈「私の部屋にみーちゃんいるから」

俺「あ、そうなの。大丈夫?」

奈「うん。遠慮なくどーぞ。お茶用意してるから」

先に奈々子の部屋に行ってることにした。
既に何度か入った事があるので、今更照れも何もなかった。
部屋に入るとみーちゃんが擦り寄って来たので、思いっきりじゃれた。
胸毛モフモフが一番気持ち良いです。






185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:21:36.50 ID:R/pUtThBO
あー羨ましい







186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:21:41.76 ID:oFFEX5/E0
最初は近寄ってもくれなかったけど、何回か会うたびにかまってくれるようになっ た。
一度仲良くなるとずっとデレデレなみーちゃん。
ちなみに黒猫です。

しばらくすると、奈々子が戻ってきた。
とりあえず、お茶で乾杯することにした。

俺「おめでと〜」
奈「おめでと〜」
俺「明日から勉強しなくていいのは楽だけど、なんか暇になるよね」
奈「そうだねー。そうそう、今度携帯買ってもらうからアドレス教えてもらっていい?」
俺「いいよー。番号の方は覚えてる?」
奈「うん。ちゃんと手帳に書いてあるよ」
俺「アドレスは………っと、これでよしっと」
奈「ありがと。携帯買ったらすぐメールするね」
俺「用がある時でいいよ」
奈「すぐする。そうそう、高校で部活どうするの?」
俺「部活ねー。まだ考えてないかなぁ。奈々子はテニス続けんの?」
奈「一応そのつもりなんだけどね……。けど、場合によっては他の部活にするつもり」
俺「そっか。朱音に部活何あるか聞いてみよっかな」
奈「そういえば、部長と朱音さんも○高なんだっけ?」
俺「そうだよ。雪音はテニス部入ってるってよ」
奈「部長テニス上手だからね〜」

しばらくの間、二人でこれからの高校生活の話をした。
何か大事なことを忘れているような気もしたが、思い出せなかった。






187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:22:26.44 ID:EPiBRBpeO
もうやだ俺の人生






188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:24:00.41 ID:oFFEX5/E0
しばらくすると、ソバ屋さんがお昼を持ってきてくれた。
掛け蕎麦に海老天と掻揚げが乗った豪勢なものだった。
お礼をいい、頂くことにした。

俺「やっぱ奈々子ん家の蕎麦は美味しいね〜」
奈「そう?私はこれが普通だからなぁ」
俺「贅沢だってば。自分で打ってみるとホントよくわかるよ。こんなに美味しく作れないって」
奈「私はアキが作ったやつのほうが好きだよ?」
俺「食べ慣れちゃってるから違う味が美味しく感じちゃうんだよ」
奈「たしかに…。ちっちゃいころから飽きるぐらい食べてるからね」
俺「蕎麦好きにとっては羨ましいけどね。掻揚げも美味しいし」
奈「私はあんま好きじゃないなぁ。前にアキが作った掻揚げの方が好きかな」
俺「あーあの牛蒡とかじゃが芋使ったしなっとしてるやつ?
  あれはどっちかっていうとご飯にあうやつだからね」
奈「そうなんだ。アキってホント料理得意だよね」
俺「うーん、自分じゃあんま思わないんだよね。
  葵ねぇと祖母ちゃんに比べればまだまだだし」
奈「アキのお祖母ちゃんって料理の資格持ってるんだっけ?」
俺「うん。調理師免許持ってるね」
奈「すごいね。アキは目指したりしないの?」






189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 21:27:36.19 ID:oFFEX5/E0
俺「特に考えてないかなぁ。資格取ったとしても調理師目指したりしないし」
奈「そっか。でも勿体無いよ〜」
俺「でも、作ったのを周りの人が食べてくれるなら、それだけで十分だし。
   ついでに美味しいって言ってくれれば満足って感じだから」

奈「部活に時々差し入れしてたよね。あれ、すっごく評判よかったんだから」
俺「そっか。ならよかった」
奈「他の部活の子とか凄い羨ましがってたんだから。ほんとテニス部でよかったw」
俺「そういえば、奈々子と話すようになったのって、初めてお菓子持ってったときだよね」
奈「うーん、そうだったかな?覚えてないや」
俺「そうだって。それまでクラスでも部活でもあんま話してくれなかったし。
   嫌われてんのかなーぐらい話してくれなかったし」

奈「んー、たしかに最初のころはあまり話さなかったかなぁ。
  私さ、知らない人と話したりするの苦手だったし」
俺「こっち側から見てもそんな感じだったねぇ。
  だから、そんな奈々子が話しかけてくれて嬉しかったなぁ」
奈「だったらアキから話しかけてくれればよかったじゃん」
俺「無理。だって俺人見知りだもん。基本受身人間だし」
奈「アキだってダメじゃん。私と同じじゃん」
俺「だねw 案外、だから仲良くなれたのかもね」
奈「……そうかもね」






194以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 21:47:49.79 ID:oFFEX5/E0
気がつくとそれなりに時間が経っていた。
そろそろ帰らないと葵ねぇに余計な心配をかけるので、帰ることにした。
みーちゃんにバイバイして、店先に顔を出してから家に向かった。
そういえば、朱音たちに合否の報告をしていないことを思い出し、
一度神社に顔を出すことにした。

本殿前につくと、賽銭箱の左右に二つの人影があった。
心なしかふくれっ面をしているような気がした。


俺「なにやってんのー?こんなところで」

朱「なにやってんの?そうだね。普通こんなとこに座ってないよね」

雪「そうだね。普通、お昼からずっと座ってたりしないよね」

合否がわかったらすぐに連絡するって約束、すっかり忘れてました。






198以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 22:01:47.08 ID:oFFEX5/E0
神主さん達にも報告をし、家に帰った。
玄関の鍵が開いていたので、葵ねぇは家にいるみたいだ。

俺「ただいまー」

葵「おかえりー。お昼は食べたんでしょ?」

俺「うん。帰りにソバ屋さんに顔出したら、ご馳走してくれた」

葵「そう。そう思って用意してなかったから」

俺「連絡し忘れてごめんね。もう夕飯の準備してるの?手伝う?」

葵「いいって。少し休んで体調整えな。あーちゃんが気づいてないだけで疲れ溜まってるよ」

俺「うん。じゃあちょっと寝る」

そのまま自室へ行き、仮眠を取った。
何かを期待していたわけではないが、葵ねぇがいつも通りだったのは少し残念だった。







200以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 22:05:40.44 ID:oFFEX5/E0
目が覚めたら既に7時を過ぎていた。
居間にいくと、祖父ちゃんと祖母ちゃんがいたので、改めて合格の報告をした。
二人とも嬉しそうだったので、受かってよかったと思えた。
その後、夕食を取った。

夕食の内容はどれも手間のかかった物だった。
そして、全てが俺の好物だった。
合格の報告を聞いた後、葵ねぇがわざわざ買い物に行って拵えてくれたんだろう。
たぶん、これが葵ねぇの「おめでとう」の表し方なんだと思う。

夕食の後、お酒の入った葵ねぇに抱きつかれて
頭ぐしゃぐしゃーってされながら何回も「よかったね。おめでとう」といわれた。
夕飯みたいなのより、こういう直接的な表現の方が嬉しかったのは内緒。






202以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 22:09:15.37 ID:oFFEX5/E0
三月。
中学校を卒業した。
感極まって泣いている子もいたが、泣くことはなかった。
式が終わった後、少し抜け出してコートに行った。
もう、ここには用がないんだなぁと改めて思い、少し感慨深かった。

教室で担任から最後の話を聞いた。
担任の言葉は今でも覚えている。
「別々の道に進むわけではない。みんな違う方向に進むだけだ。
  そもそも、道があるわけではない。
  おまえらが人生に満足して振り返ったとき、おまえらが踏み締めた跡が道になるんだ。
  おまえらがいるのは、ただっぴろい草原なんだ。
  山もある、川もあり、荒野もある、湖もある。そういう場所にいるんだ。
  そこを、おまえらが思うように進むんだ。進むだけじゃない、
  気が変わったら逆の方へも歩けるんだ。
  迷ったら人に聞け。聞かれたら、おまえが見てきた物を話してやれ。
  断崖絶壁があろうと、そこで終わりではない。ただ、終わらせることができるだけだ。
  振り返るのはいつでもできる。だから、好きなように生きろ。以上だ!」


少し変わった先生だと思っていたが、最後に大事なことを教えてもらい感謝している。






203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 22:12:22.08 ID:oFFEX5/E0
昇降口から校門へと続く道には、多くの在校生がいた。
三年生の門出を祝ってくれているのだろう。
恒例行事だが、テニス部から花束と寄せ書きをもらった。
他にタオルや手袋、なぜかマフラーまでもらった。
その変わりに、名札、ブレザーの上着、ネクタイ、上履き、カーディガン、ジャージなど
色々な物を取られた。
しばらくの間、会話をしたり写真を撮ったりしていたが、
いつまでも立ち止まるわけにはいかないので、校門から出た。
テニス部から「ありがとうございました」が聴こえた。嗚咽も少し聞こえた。
目に塵が入った。






204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 22:15:11.81 ID:oFFEX5/E0
家に帰った時には、祖父ちゃんと祖母ちゃんは既に仕事に行っていた。
わざわざ忙しい時間を割いて出席してくれて嬉しかった。
まだまだ寒い中、制服ズボンにYシャツとマフラーという間抜けな姿を葵ねぇに笑われた。
神社にも無事に卒業した事を報告しに行った。


夜はクラスで集まり、ご飯を食べに行った。
さすがに居酒屋というわけにはいかないので、安めのイタリアンバイキングへ行った。
お約束ではあるが、卒業したからこそ出来るぶっちゃけトークで盛り上がった。
こういうぶっちゃけトークには、もう会わなくなる寂しさが隠れてると思う……






205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 22:17:14.80 ID:oFFEX5/E0
男「つーかさ、アキはけっきょく誰狙いだったんだ?」

女「あー私も気になる〜。だれだれ?」

俺「別にそういうのはなかったかな」

男「嘘つくなよwだっておまえ告られたの全部断ったんだろ?しかもけっこうな数だろ」

優「二年生の時にタメから1回、後輩から1回。三年生の時にタメから1回、後輩から4回」

男「まじで?そんなに多いと思わなかったわ」

俺「なんで知ってんだよwつーか半分以上は向こうも本気じゃなかったって」

女「でもさ、こんだけ告られてOKしないってことは誰か好きな人いたんでしょ?」

俺「だーかーら、べつにそんなんじゃないって。部活忙しかったし」

男「なに?やっぱりテニス部の子?もしかして○○?それとも△△?」

女「だったら由利って線もあるでしょ。あ、それともナナ?」

俺「あーもう、おまえらシツコイ。あっちいった、しっし」






207以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 22:22:08.87 ID:oFFEX5/E0
奈「なに話してるの?」

女「あ、ナナ!!ちょうどいいとこに」

男「アキの好きな人追及中。テニス部の誰かってとこまで絞った」

奈「!!?そうなの!?」

俺「だから違うっつーの!!そもそもテニス部なら引退前にアクション起こすだろうが」

女「んーまぁ、言われてみれば」

男「いやいやいや、アキはなんだかんだでヘタレだからな。
  逆に何も出来なくて終わった可能性が高い」

奈「……ヘタレ」

女「ヘタレっ子」

いい加減めんどくさくなったので退散。
ちなみに、ヘタレっ子とかは当時のあだ名的なもの。
呼ばれるようになった原因はハッキリと覚えていないが、
侮蔑の意味ではなく親愛の意が感じられたので嫌いではなかった。







209以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 22:28:12.49 ID:oFFEX5/E0
食事を終え、時間が厳しい子もいるので一度解散になった。
近くの公園に移動し、いろいろと話を楽しんでいた。
誰かがアルコールを買ってきて飲み始めたみたいだが、自分は飲まなかった。
悪いことをしていると見つかる物で、11時を過ぎたころ、
パトロールしていた警官が公園に来た。
幸い、入り口に素面グループがいたので、
そのグループに家に帰るように促し、警官は去った。
また来る可能性が高いので、解散することにした。
空缶やゴミを片付けていると、携帯がなった。
内容は「この後何人かで密かに集まろう」とのことだった。
公園で解散をし、再集合の場所へ向かうと既に何人かいた。
全部で9人で、優介・奈々子・由利もいた。
何人か飲んでいたみたいで、少し酒臭かった。
しばらくはその場で話していたが、流石に寒くなってきてので移動することになった。






211以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 22:33:45.26 ID:oFFEX5/E0
カラオケに行ってみたが、年齢確認をされダメだった。
他に場所が思いつかなかったため、葵ねぇに連絡し、離れを使っても良いか聞いてみた。
「過度に騒がない、危険なことをしない、分を守る」という条件でOKを出してくれた。
祖父ちゃん祖母ちゃんも許可してくれたらしい。
離れでよければ使えるということを皆に話すと、色々と反応があった。
とにかく、コンビニで色々買い、家に向かった。
途中、時間の都合で何人か帰った。
家につき、皆を離れの方へ案内し、一度家の方に顔を出した。
葵ねぇに使う旨を改めて伝え、気にせず休んでいてと言っておいた。
ついでに座布団や毛布をいくつか持っていった。






212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 22:36:31.74 ID:aDZK6jTM0
お前がホットな時間を過ごしてる間俺は・・俺は…






213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 22:37:57.88 ID:oFFEX5/E0
離れの方では早速、色々と盛り上がっているようだった。
どうやら、離れがそれなりに珍しいらしい。
使用上の注意を改めて伝え、お喋りに興じることにした。
優介や由利は何度か家に来たことがあったが、
初めて来る人にとってはそれなりに驚きの対象になったらしい。

デカイ家があるということは知っていたらしいが、
それが俺の家だとは思ってもいなかったそうだ。
しばらく話しをしていたが、だんだんと眠くなり、そのまま眠ってしまった。






218以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 23:10:26.84 ID:oFFEX5/E0
ふと目が覚めると、離れの中は静かになっていた。
自分の胸から下に誰かが乗っかっていて起き上がることはできなかった。
手元の方をガサ、ゴソ、と探し、携帯で時間を確認すると深夜3時過ぎだった。

女「あ、起きた〜?」

由「アキが寝ちゃったらダメでしょ。他の子は時間ヤバイからって帰ったよ」

俺「そっか。残ったの二人だけ?」

女・由「………」

二人とも無言で俺の毛布に指を指す。
毛布を捲くってみると、奈々子が俺の上で寝ていた。

俺「………なんで?」

由「優介とかが買ったお酒飲んで。テンション上がって寝てたアキにダイブしてそのまま」

女「起きてるとウルサイから寝ててもらった」

俺「………」

とりあえず、背中に回った腕を振り解く。
ソファーから落ちたけど、気にしない。






219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 23:15:53.71 ID:oFFEX5/E0
俺「二人は時間平気なの?」

女「うん。私はとくに問題なし」

由「私もべつに〜。こっち来る前に親に連絡したし」

女「あーナナは大丈夫なのかな?」

俺「どうだろ。あーでもウチに来てたって言えば平気かも」

奈「……んっーーーー。あれ?寝てた?」

由「寝てた」

俺「奈々子〜時間平気なの?」

奈「平気。来る前にアキの家に行くって言ったから」

俺「そっか。あーなんか体いてぇ」

奈「わたしもー。頭痛いし」

ソファーから落としたのが原因とは言わないでおいた。






222以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 23:22:33.92 ID:oFFEX5/E0
とりあえず、空缶は全て潰して酒であることはわからないようにしておく。
散らかったゴミなども一度片付けて綺麗にしておく。

女「んっー私も眠くなってきたかも」
由「ずっと喋ってたからね〜」
俺「眠かったら寝ちゃってもいいよー。寝てた人が言うのもアレだけど」
由「そうするー。毛布貸してー。女ー、ねよー」
女「ねるー」

そう言うと、二人で毛布にしばらくモゾモゾと動いていたが、
落ち着いたのか動かなくなった。

奈「ねーねー、あれってピアノでしょ?アキ弾けるの?」
俺「んー?ちょっと音がずれてるかも知れないけど弾けるかなぁ」
奈「へー知らなかった。あー、昼間だったら弾いてもらえたのに」
俺「んー力強く弾かなきゃ一応平気かな。寝てる人を無視すれば」
奈「ホント?外に音、響かない?」
俺「一応防音してるからたぶん平気、なはず」
奈「じゃーなんか弾いて」
俺「りょーかい」

昔に練習した曲の中で、暗譜しているものをいくつか弾いた。
予想以上の腕だったのか、奈々子はけっこうビックリしていた。






225以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 23:30:45.06 ID:oFFEX5/E0
この離れは、母親が昔使っていたピアノの練習用の離れで、きっちり防音。

ピアノを弾いたり話を楽しんだりしていると、いつのまにか6時を過ぎていた。
そろそろ葵ねぇや祖母ちゃんが起きる時間だった。
とりあえず、寝ていた二人を起こした。

俺「もう6時なんですけどー」
女「ホント?じゃーそろそろ帰るね〜。由利は?」
由「んー?もうちょっと毛布にいるぅ〜」
女「それじゃ、またね。暇なとき連絡頂戴ね〜」


俺「二人はどうする?よかったらご飯食べてく?」
由「食べる食べる!!ご馳走になる!!」
俺「奈々子は?」
奈「うーん……食べたいけどシャワー浴びたいかも」
俺「んーじゃあウチの使ってってよ。その間にご飯用意するから」
由「あー私も借りたいかも」
俺「りょーかい。んじゃ移動しますか」







226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]: 2009/03/31(火) 23:33:04.96 ID:JEpbT3CY0
間違いだったらすまん

奈々子、ピアノ弾けるの知らなかったんだっけ?


>>226
基本的に誰にも話さなかったから
音楽の授業とかでも普通装ってた






229以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 23:36:05.48 ID:oFFEX5/E0
離れから家に移動した。
葵ねぇと祖母ちゃんはまだ寝ているようだった。

俺「シャワー使い方わかるよね?バスタオルはこれ使って」
奈「ありがと〜。それじゃ先に借りるね」
由「うん。急がなくてもいいからねー」
俺「じゃー朝の用意するから、由利はテキトーにくつろいでて」
由「はーい」

朝食の支度に取り掛かることにした。
朝食の仕度は専ら葵ねぇと祖母ちゃんの仕事だった。
基本和食。ご飯に味噌汁、干物にお浸し、日替わりで一品というのが常だった。
奈々子と由利は他のがいいだろうと思い、他の物を作ることにした。
朝食の支度をしていると、葵ねぇと祖母ちゃんが起きてきた。
シャワーと朝食の旨、昨日の夜は特に何も無く怪我や体調を崩した人がいないと伝えた。
それと、大目に見てくれたこと、離れを使わせてくれたことの御礼を言った。






231以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 23:40:17.41 ID:oFFEX5/E0
奈々子、由利がシャワーを浴び終え、朝食が出来上がるころ祖父ちゃんも起きてき た。
祖母ちゃんがニ、三言うと、祖父ちゃんも状況を理解したようだった。
奈々子と由利用にオムライスを作ったが、葵ねぇも食べたいと言ったので4つ作った。
いつもより賑やかな朝食だった。


書いていたら色々と思い出してこんなに長くなってしまった。
あまり興味を惹かれないかもしれないが、よかったらもう少し付きあってくれ。






232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/03/31(火) 23:42:01.93 ID:+SdFpDhWO
ちゃんと最後まで書いてくれよな






236以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/03/31(火) 23:47:03.93 ID:oFFEX5/E0
少し間が悪いが、呼ばれたので少し席を外させてもらいます


季節は春。
真新しい学生服、踵の潰れていないローファー、真っ黒の鞄。
俺は高校生になった。

中学校と比べ、高校の入学式は短かった。
生徒会長として挨拶をしていたのは、やはり朱音だった。
パイプ椅子に座り式が終わるのを待っていると、不意に膝をツンツンと叩かれた。






247以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:18:33.21 ID:d9mU55dl0
ただいま
高校の先輩が朱音の家に遊びに来てたから、少し顔出してきた
あいつら、人の黒歴史ビデオ見て盛り上がってやがった


女「私、○○智夏っていうの。キミは?」
俺「俺は○○明葉。えっと、よろしく?」
智「よろしくね〜。ちょっと女の子っぽい名前だねw」
俺「よく言われるw 母親が柚葉って名前で、どうしても一字使いたかったんだってw」
智「そうなんだ。アキって季節の秋?」
俺「明るいって字。日に月ってやつ」
智「そっか。私のカは夏って字だからさっ」
俺「てことは誕生日は夏?」
智「もちろんw ○○は?」
俺「俺は冬。だけど寒いの嫌いなんだよねw」
智「冬生まれなのにダメじゃんw」
俺「よく言われるw ○○は夏好きなの?」
智「大好きだね〜。っていうか、チカでいいよ。苗字言いにくいでしょ?」
俺「ちょっとねw(チカの苗字は五文字+咬みそうになる) えっとー、じゃあ改めてよろしく」
智「うんっ。こちらこそ」

司会進行の先生に注意されたため、チカとの初めての会話はこれで終わった。






248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 00:19:28.55 ID:7c815o4QO
あー俺もこんな中学時代だったらなぁ
・・・酒飲むわ






250以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:22:45.37 ID:d9mU55dl0
入学式が終わり、教室へ移動した。
席は後ろから二番目という中々良い席だった。
もちろん、後ろはチカだ。
左右が男子だったのは少し気が楽だった。
ちなみに、奈々子とクラスは一緒だった。
席は、離れていた。

担任と顔合わせをし今後の日程について話をした。
その後、様々な配布物を受け取り、
別室で教科書を受け取ったとこで、高校初日は終わった。






254以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:28:27.95 ID:d9mU55dl0
奈「アキ〜、一緒に帰ろ?」

俺「おっけー。奈々子は自転車?」

奈「ううん。自転車通学禁止の範囲だった。アキは?」

俺「ギリギリアウトらしいんだけど、朱音とか普通に自転車だったからいいかなーって」

奈「見つかっても知らないよ?」

俺「だいじょーぶ。んじゃ奈々子後ろね」

奈「えっ、いいの?重いよ?」

俺「じゃあ歩きで」

奈「頑張って漕いでね」

奈々子を後ろに乗っけて、校門から外へ出た。
近くの信号で足止めを食らっている生徒の中に、見たことある顔があった。






256以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:32:17.80 ID:d9mU55dl0
俺「チカ〜」
智「あれ?自転車なんだ?」
俺「うん。チカは電車?」
智「電車〜。後ろの子は?」
俺「一応同じ教室にいたんだけど見覚えない?」
智「あんまり周り見なかったからね〜」
奈「アキ?知り合い?」
俺「さっきね。入学式の時少し話して」
智「私、○○智夏。よろしくね」
奈「えっ、あっ……わ、わたし○○奈々子です………」
俺「ちょっと初対面苦手なタイプだから」
智「そっか。えっと〜奈々子ちゃんでいいのかな?」
俺「んー…たしかナナって呼んでる人が多かったかも」
智「じゃあ、私もナナでいいかな?」
奈「あっ……う、うん。えっと…」
智「チカでいいよ」
奈「じゃ、じゃあ…チカ、よろしくね?」

さっそく奈々子に友達が出来そうで嬉しかった。
ただ、緊張してモジモジしたりする奈々子はけっこうかわいかった。






258以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:38:41.87 ID:d9mU55dl0
駅とは方角が同じなので、三人で帰ることになった。

智「じゃあナナと○○は中学一緒なんだ?」
俺「一緒。クラスも三年間同じだったし」
智「へぇ〜。それで高校も一緒ってなんかすごいね」
俺「んー三年間一緒だったのもたまたまだしなぁ。チカは同じ中学の人いないの?」
智「いないいない。だからすっごく緊張してた〜」
俺「そう?かなりフレンドリーに話しかけられたと思うんだけど」
智「もう、なに?開き直ったみたいなw それにさ〜、話しかけるチャンスだと思って」
俺「たしかに教室じゃ話するような空気じゃなかったしねー。
  あーでも、話しかけられてけっこう嬉しかったかも」
智「そうなの?」
俺「俺もさ、奈々子ほどじゃないけど、自分から話振ったりするの苦手で。超受身人間だし」
智「そうなんだ?めっさ外交人間に見えるけど?」
俺「中身がダメなんだよね〜w だからさ、話しかけられて助かったなーってw」
智「そっかw でも、これで少し気が楽になるよ〜。
  友達できなかったらやだなーって思ってたから」
俺「俺もかな。まーこれで余裕できたし、あとはのんびりいけるかな」
智「そうだね。あっ、携帯持ってる?アド教えてもらっていい?」
俺「いいよー。赤外線?」
智「あー、私のついてないや。送るからアドレス打ってもらっていい?」
俺「りょーかい」

一度、自転車を静止させる。
両足で地面を蹴って進んでいたので、地味に疲れた。
奈々子はというと、後ろに横座りし、顔をずっと俺の背中に埋もれさせていた。






260以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:43:14.91 ID:d9mU55dl0

駅についたのでチカと別れた。

奈「なんかさ、もう仲良くなってるね」

俺「そう?まーでも話しやすいじゃん?」

奈「そうだけどさ……」

俺「奈々子もさ、無理しろとは言わないけど、改善できるように頑張るのも大切だよ」

奈「……うん」

俺「まっ、のんびりね」

奈「うん」

普段はけっこう強がりな面が見えているからこそ、
奈々子のこういうギャップが凄く可愛く感じられる。






265以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:46:32.53 ID:d9mU55dl0
夜に朱音から電話が来た。

俺「もしもし」

朱「もしもし〜?まだ起きてた?」

俺「うん。なんかあったの?」

朱「今日どうだったかな〜って」

俺「んー普通?」

朱「そっか。明日からさっそく午後まであるでしょ?給食ないからね」

俺「わかってる」

朱「売店と食堂は期待しないほうがいいよ。たぶん一年生じゃまだ無理だから」

俺「一応、お弁当にするつもり」

朱「その方がいいね〜。中庭わかる?そこに集合ね」

俺「お昼?わかった〜」







268以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:49:44.56 ID:R/3iD2/PO
朱音なら俺の隣で寝てるけどもしかして…


>>268
臭くないか?
さっきまで雪音と先輩達と浴びるように酒飲んでたが………






270以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:52:22.48 ID:d9mU55dl0
お弁当は自分で作るつもりだったが、葵ねぇが作ってくれた。
卒業するころには、お弁当関連の本が大量に溢れかえるようになっていたり……

チャイムギリギリに教室に入ると、無駄に注目を浴びた。
既に皆が席に着いており、誰も喋らない重苦しい空気だった。
そんな中に慌てて教室へ駆け込んだのだから、当たり前といえば当たり前だ。

しばらくすると担任が教室へ来て、改めて今日の日程を確認した。
午前中は体育館で新入生歓迎会と部活動紹介。
午後は教室にて自己紹介と委員会などの決め事だった。






271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 00:55:27.54 ID:R/3iD2/PO
>>1は今いくつ?


>>271
20です





276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 01:08:00.93 ID:h7t3A2ZTO
同い年なのに何この人生の差死にたい






278以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:11:17.93 ID:R/3iD2/PO
>>276
世の中プラマイゼロになるようになってるんだよ






272以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 00:59:40.06 ID:d9mU55dl0
体育館ではクラスごとにまとまっていれば、とくに並び方の指定はなく、
後ろの方で奈々子と座っていた。

奈々子は熱心に見ていたようだが、俺は体育座りをして寝ていた。
体育館での催しが終わり、教室へ移動となった。
教師がいくつか話をし、お昼となった。

智「○○、よかったらお昼一緒に食べない?」
奈「あ、私も…」

どうするか悩んでいると、教室のドアが勢いよく開いた。
教室内が静かだったこともあり、皆がドアの方へ注目した。

雪「えっと……あ、いたいた!アキー、おひるー」
俺「あれ?朱音は?」
雪「遅いから迎えにいってこいって。あ、ナナも同じクラスだったんだ」
奈「どうも、お久しぶりです」
雪「そっちの子は?」
俺「んーっと、昨日仲良くなった子」
智「○○智夏っていいます。えっーっと」
雪「私は雪音。とりあえず三人とも中庭ね」

かなり注目浴びてて恥ずかしかった。






274以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:04:33.03 ID:d9mU55dl0
中庭にはちらほらと生徒の姿が見られた。
朱音は……壁際にある木のベンチに座っていた。

朱「おっそーい。あれ、人数増えてるね」
雪「こっちが奈々子。ほら、お蕎麦屋さんのとこの子」
朱「あーなるほど。そっちの子は?」
雪「アキの友達」
智「○○智夏っていいます。えと…先輩方はご姉妹ですか?」
朱「んーまぁそうだね」
雪「姉妹というか双子かな」

チカは「そうなんですか」と驚いていた。
この頃は顔こそはそっくりでも、二人とも髪型が違っていたため区別は容易についた。
相変わらず綺麗なロングヘアーなのが朱音。
少しボーイッシュ気味なのが雪音。






279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:11:24.53 ID:d9mU55dl0
ベンチに座り、五人でお昼を食べた。
朱「それで、あーちゃんは部活決めた?」
俺「んー決めたっていうか、元から入るつもりないかなぁ」
雪「そうなの?」
俺「うん」
雪「ナナは?」
奈「私はテニス部にしようかなって考えてます」
雪「ナナなら大歓迎!!チカちゃんは?」
智「私はバド部にするつもりです。中学の時にやっていたので」
朱「そっかー。ウチは部活もそれなりに活発だからねー」
雪「そうだね。バド部は結構キツイかもねー」
智「そうなんですかー!?」

と、部活の話題で盛り上がった。
チカと朱音・雪音はなかなか相性が良さそうだった。
会話に参加せず黙々とお昼と食べていると、奈々子が小声で話しかけてきた。






280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 01:15:55.22 ID:d9mU55dl0
奈「ねぇ、部活入らないの?」
俺「そのつもり」
奈「そっか……マネージャーとかテニス部、やだ?」
俺「んー、ちょっとね、やりたいことあって」
奈「なに?」
俺「内緒。奈々子はテニス部で決まり?」
奈「だったけど………もう一回考える…」

朱「あーちゃん♪なに企んでるのかな〜?」
と言いながら背中から抱きついてくる朱音。

俺「ちょ…違うって。ちょっと部活のご相談」
朱「ほうほう……だったら生徒会もオススメしちゃうよ〜?」
俺「生徒会って選挙で通らなきゃ入れないんじゃないの?」
朱「……あーちゃん、話聞いてた?」
俺「いちおう……」
奈「寝てましたよ」
朱「………」

ビシッ、と頭の上に手刀を落とされた。






283以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:20:00.26 ID:d9mU55dl0
雪「アキ、バイトするつもりだったの?」
俺「まー一応…」
奈「たしか、バイト原則禁止でしたよね?」
朱「そうだね。長期休暇時に許可を申請すれば出来るけど、それ以外は禁止だね」
雪「まーでも」
朱「バレなきゃ問題ないけどね」
奈「もし見つかったらどうなるんです?」
雪「んー……前に友達で見つかった子がいたけど、
  バイト辞めさせられただけだったかなぁ」
朱「先生によっては見逃したりするからね〜」
奈「けっこう甘いんですね」
雪「まね。公立だし」
朱「で、なんでバイト?」
俺「ちょっとね」
雪「んー?まぁ、バイトするなら駅の反対方向がいいらしいね」
朱「駅は見つかりやすいからね」
俺「あれ?反対じゃないんだ?」
雪「反対したらテニス部入ってくれる?」
朱「反対したら生徒会入ってくれる?」
俺「………」
雪・朱「ほら、ねー。反対したって意味ないもん」

どうして、こう、女性って鋭いんでしょう。







286以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:26:14.27 ID:d9mU55dl0
予想以上に時間かかってるから少し端折ります


午後の授業は自己紹介と委員会決めだった。
相変わらず自己紹介苦手な自分は、
流れの中で出来つつあるテンプレートに沿って無難に。
奈々子もちゃんと出来ていた。
もちろん、委員会は無所属。


春の終わりが近づいてきた五月。
ちょっとしたことが起きた。






288以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:30:36.08 ID:d9mU55dl0
俺は駅の近くの料理屋でバイトを始めた。
といっても、本格高級インド料理屋のため教師に見つかる心配はなかった。
奈々子はテニス部、チカはバド部に入った。
日々を過ごす中で、クラスの男子達とも自然と仲良くなった。
両隣に座るタケと正人とは良く話す仲になっていた。

タケは小さい頃からサッカーをやっていて、かなり上手だった。
一年の後半にはレギュラーを掴んでいた。
正人はテニス部だった。
あえていうならば、無難に高校デビュー決めてみました、という感じだった。

どうやら、正人は恋をしたようだ。






290以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:35:58.70 ID:d9mU55dl0
話を聞くと、恋をした相手は雪音だった。
テニス部に入ったのも、雪音に一目惚れしたのが理由だとか。
男女別れてるから意味無いだろ、と思ったが言わないでおいた。

そこで、雪音と仲の良い俺に橋渡しを御願いしたい、とのことだ。
男の有無を聞かれたので、たぶんいないと答えると
「じゃあ好きな人いるか聞いてきて」と言われた。
この辺が高校デビューらしいなって思った。






292以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:41:02.45 ID:d9mU55dl0
高校の二日目以来、朱音と雪音と奈々子でお昼を食べるのが習慣になっていた。

俺「ねぇ、雪音って付き合ってる人いないよね?」
雪「えっ、う、うん、いないけど」
俺「じゃあ好きな人はいる?」
雪「えっ、ていうか、なんで?」
俺「んー……んっと、ちょっと知りたいなって思って」
朱「雪音ちゃんは好きな人いるよねー♪」
雪「ちょっと!!なんで朱音が答えるのよ!!」
俺「そうなの?」
雪「(顔真っ赤)………」
朱「ほら、否定しないもん♪」
俺「じゃあさ、好きな人以外の誰かから告白されたら付き合う?」
朱「そりゃー喜んでおっけーしちゃうよねー♪」
雪「だから朱音は黙っててよ………」


お昼のことを正人に報告すると、多少凹んだようだった。
夏になると、違う人に恋をし、再び俺に頼ることになったが……







293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 01:45:33.00 ID:d9mU55dl0
六月の中間試験を終えると、その後は文化祭の準備が始まった。
ウチの高校の文化祭は少し特殊で、開催日が八月の第一週という珍しい日程だった。
クラスの出し物は、既製品のジュースとお菓子を販売するという無難なものになった。

文化祭まで後一ヶ月と少し。
雪音から、ある相談を受けた。






296以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:51:55.47 ID:d9mU55dl0
放課後、スタバで雪音と待ち合わせをした。

雪「ゴメン、ちょっと遅れた」
俺「ん、大丈夫、問題なし。んで、呼び出された理由に心当たりないんだけど」
雪「んっとね、アキって今でもピアノ弾ける?」
俺「??ちょっと時間あれば前ぐらいなら弾けると思うけど」
雪「文化祭で何かやるわけじゃないよね?」
俺「うん。クラスの出し物だけ」
雪「文化祭でギター部がライブやったりするの知ってる?」
俺「へぇーそうなんだ」
雪「それでさ、私の友達も出る予定なんだけどさ、ちょっとメンバー足りないんだって」
俺「そんで?」
雪「で、キーボード出来る子探してる〜って言ってて、「あ、私心当たりある〜」みたいな?」
俺「無理」
雪「ねーおねがい〜」
俺「人前で弾くのなんか嫌だし、それにキーボード触ったことないから弾けるかわかんない」
雪「大丈夫だってアキなら。それにさ、
  私の勝手な気持ちなんだけど、最後の文化祭になるからさ協力したいんだよね。
   私達は大会があるけど、文化部にとっては文化祭が目標みたいなものだからさ」
俺「そりゃわかるけど…」
雪「もちろん、それでアキに頼るのは身勝手だけどさ。
  でも、アキしか頼れないし、アキなら力になってくれると思ってるから」
俺「………」
雪「ね?アキ、おねがい。後でちゃんとお礼もするからさ」
俺「………」

NOと言える人間なんだけど、NOと言いながらなんだかんだでやっちゃうタイプです。






298以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:54:37.27 ID:d9mU55dl0
俺「あーじゃあさ、とりあえずその人たち紹介してよ。そっちの方が気兼ねなく断れるから」
雪「わかった。こっちが悠で、こっちが美咲」
と、右隣の席に座っていた女子高生を指差す。

美「どもー」
悠「よろしくー」
雪「話し聞いてたからわかると思うけど、アキはお願いって言えば断れない子だから」
悠「りょーかい」
俺「…………えっと、こんにちわ」

その後、詳しい話を聞くことにした。






301以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 01:56:42.75 ID:d9mU55dl0
どんな曲やるんですか?

この曲。ちょっと聞いてみて

あ、けっこう好きかも

でしょでしょ。これ楽譜。

ちょっと難しそうですね。

大丈夫ダイジョウブ。私がボーカルとベースで、美咲がドラム。

そうなんですか。ベースとボーカルの両方って難しくないですか?

ギター弾きながら歌ってると思えば問題ナシ。ところで、君は部活入ってるの?

部活は入ってないですけど、バイトをちょっと。

そっか。じゃあ平日は結構平気?

そうですね。○曜日と○曜日以外でしたら大体空いてると思います。

メモメモっと。じゃあ明日は平気なんだね?

わかった。楽譜は持ち帰っていいから。明日の放課後に中庭ね。

と、すごく簡単に流された。






302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 02:02:05.66 ID:d9mU55dl0
けっきょくは参加することになり、その日から猛練習することになった。
ちなみに、クラムボンの「シカゴ」「はなればなれ」「サラウンド」の三曲。
文化祭中にどこかで演奏するだけだと思っていたが、開会式と後夜祭でもやるらしい。

放課後も毎日ギター部へ通うようになった。
クラスの作業の方は、事情を説明したら快くOKを出してくれた。

夏休みに入り、文化祭まで残すとこ二週間切ったころ。
なんとか形にすることが出来た。
後は完成度を上げるだけだった。






303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 02:05:23.93 ID:d9mU55dl0
その日も午前中から練習をしていた。

悠「おっけー、どうだった?」
先「いいんじゃないかな。目立って悪いところもないし、後はひたすら弾くだけだね」
美「ありがとうございますー。ていうかアキ上手いね〜」
俺「や、そんなことないですよ。ときどきミスしそうになりますし」
先「いや、○○君十分上手いよ。軽音部にほしいくらい」
悠「だめっすよー。ギター部の持ち物なんですから」
先「いやいやいや、協力してるだけだよね?文化祭終わったら是非ウチに………」
悠「だーめでーすよー。卒業までにライブやる機会があるかもしんないですし」

俺「あれ?美咲さん、俺って文化祭だけの助っ人じゃないんですか?」
美「さぁ〜?悠しだいじゃない?」






305以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 02:13:00.41 ID:d9mU55dl0
悠さんが発声の練習をしている間、体操がてらに適当な曲を弾いていた。

美「あれ?それって幻想即興曲?」
俺「そうですよ。よく名前出てきましたね」
美「親がクラシック好きでよく聞いてるからねー」
俺「へーすごいですね。あ、じゃあこれ解ります?」
美「これは誰でもわかるってw 子犬のワルツでしょw ていうかショパン好きなの?」
俺「好きってわけじゃないんですけど、母親が好きだったみたいで」
美「へぇ〜。お母さんもピアノ弾けるんだ?」
俺「そんなに有名じゃなかったらしいんですけど、一応プロ扱いだったとか」
美「それで小さい頃から英才教育?」
俺「や、そんなんじゃないですよw 
  ピアノ弾く用になったのは母親の影響が強いですけどね」
美「でも上手いよね〜。今も教えてもらってたりするの?」
俺「あー、ウチの母親、小さい頃に死んじゃったんで」
美「え、あ…そうなんだ。なんかごめんね」
俺「いえ、別に昔の話ですからw」
美「そっか。じゃあ、お父さんと暮らしてるの?」
俺「えっとですね……父親も小学生の時に死んじゃってて」
美「そう、なんだ……」
俺「あーまぁ昔の話なんで、自分としてもあんま気になりませ……」
美「……グスッ………そっか…ひっく……ごめんね…ぐすっ」
俺「ちょ!!なんで泣くんですか」
美「だって…ひっく…なん゙がもうじわ゙げなくて…」






306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 02:14:21.02 ID:vWBbVbSNO
なんていう地雷踏む…
美咲は俺の嫁






308以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 02:19:26.95 ID:d9mU55dl0
俺「気にしてませんって。ちょっと顔拭きますよ」
美「う゛ー……ひっぐ…考えたら…グスッ…悲しぐなって…ひっく」

美咲さんの隣に移動し、涙でグシャグシャになった顔を拭こうとした。

俺「あーもうグシャグシャじゃないですかw」
美「…うるさいっ…ぐす、……見るな!!」ばふっ

美咲さんがいきなり俺の胸に顔を埋めた。
どうしようか悩んだが、美咲さんの背中を優しく撫でた。

俺「ありがとうございます。この話して泣かれたの初めてですよw」
美「うるさい………ごめんね、無神経なこと言っちゃって」
俺「そんなことないですよ。親が二人とも亡くなってるって珍しいですし」
美「もしかして一人暮らし?それでバイトやってたの?」
俺「や、今は祖父のとこでお世話になってるんです。バイトは遊ぶ金欲しさですから」
美「ホント?気、使ってない?」
俺「ホントですよ」

悠さんがこっちの様子に気づいたようで、慌てて駆けつけてきた。

悠「ちょ!!なにやってんの!?あ、アキが泣かせた!?」
俺「違いますって!!」
美「ゆ〜う〜、アキに泣かされた〜」
俺「違うって!!」

美咲さんの印象は少し茶目っ気のあるお姉さんというものだったが、
この出来事で少し見方が変わった。
人の心に近づいて考えることのできる、とても優しい人だと思った。






309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 02:22:21.91 ID:NpacyHKL0
いいねいいね、いい感じで進んできてるね






310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 02:23:55.42 ID:d9mU55dl0
気分転換に、ということで近くのファミレスへ行った。
外の気温が嘘に感じるぐらい、店内は涼しかった。

悠「とりあえず、ドリンクバー3つお願いします」
店「ドリンクバー3つですね。他にご注文はありますか?」
美「えっとー、チーズケーキ一つください。悠は?」
悠「私はティラミスかな。アキはどうする?」
俺「えーっと、どうしようかな……じゃあ、この葡萄と洋梨のジェラートで」
店「チーズケーキお一つ、ティラミスお一つ、葡萄と洋梨のジェラートお一つですね。
  ご注文は以上でよろしいですか?」
悠「はい」
店「ドリンクバーはあちらにございますのでご利用ください。
  メニューの方を下げさせて頂きます」
俺「飲み物何もってきます?」
悠「私オレンジ」
俺「美咲さんは?」
美「ん〜私も行く」






312以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 02:30:38.45 ID:d9mU55dl0
ドリンクを作りながら美咲さんが話しかけてきた。

美「ねぇ、さっきのこと雪音に言わないでよ」
俺「言いませんよw そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないですかw」
美「ん………まぁそうだね。でも言っちゃだめだからね」
俺「わかってますって」

作ったドリンクを持って席の方を見ると、悠さんが意味ありげにこちらを見ていた。

俺「別になにもしてませんよ。中学生で卒業しましたし」
悠「まーそうじゃないんだけどねーw 
  ところでさ、中庭のことって聞いても大丈夫?ちょっと興味あって」
俺「ええ、別に平気ですよ。昔の話ですし。といっても特に面白い話でもないんですけどね」

両親が死んだこと。
こっちに引っ越してきたこと。
朱音と雪音と仲良くなったこと。
東京でのこと。
話の種になりそうなことを掻い摘んで話した。






316以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 02:36:27.21 ID:d9mU55dl0
悠「へぇ〜じゃあ小6まで東京にいたんだ」
俺「そうですねー。といってもここいらとあまり変わりませんけど」
美「そうなんだ?」
俺「俺が住んでたとこは結構自然が残ってましたからね。
  といっても山!!って感じのものは流石にありませんでしたけど」
美「ふ〜ん。じゃあ雪音とは五年ぐらいの付き合いなんだ?」
俺「そうですね〜」
悠「意外と長くないんだねー。てっきり幼馴染なのかと思ってた」
美「わたしも〜。距離が近く感じたし」
俺「家族ぐるみで付き合いがありますからね〜」
悠「それでさ、アキ的には雪音と朱音ちゃんのどっちが好きなの?」
美「あ、私もそれ知りたい」
俺「や、好きとかって聞かれてもなんとも言えませんって」
悠「じゃあ、雪音と朱音ちゃんのどっちかと付き合うとしたら、どっち選ぶ?」
俺「てゆうか、選べる立場じゃないですよw」
美「ん〜…じゃあ、アキはどっちの方がタイプに近い?それともどんなのが理想?」
俺「そうですねー……どっちも十分素敵ですよ。それぞれ良い所も違いますけど」
悠「………逃げてるね〜。雪音と朱音ちゃんには喋れないからゲロっちゃえよ♪」
俺「言えませんよ〜、後が怖いですし。それに、どっちも素敵ってのは本音ですし」
美「まーねー。じゃあ、せめて理想のタイプ教えてよ」






318以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 02:40:49.27 ID:d9mU55dl0
俺「理想のタイプ、ですかぁ……あんま考えたことないんですよね」
悠「中学で付き合ったりしなかったの?」
俺「いやーまだ精神的に幼かったんで、付き合うとかよくわかんなかったんですよね」
美「でも告白されたりしたでしょ?」
俺「一応されたことはありますけど」
悠「まー中学生だとまだ考えが脆いからねー。憧れだけで好きになっちゃうとかさ」
美「お、さすが経験者は語りますな。それで、付き合うならどんな子がいい?」
俺「そうですね〜………えっと…なんだろ?」
悠「いや、聞かれてもわかんないって。じゃあ、年上か年下っていったらどっちがいい?」
俺「うーん…年上かなぁ」
悠「年上かタメだったら?」
俺「どっちでもいいですねー」
悠「相手のスタイルとかにこだわりある?」
俺「別にないですねー。あ、でも無理してダイエットしてるのとか嫌ですね」
悠「んーっと、好きな髪形とかある?」
俺「そうですねー。ロングが似合ってる人は素敵だと思いますね」
悠「長澤まさみは好き?」
俺「嫌いじゃないですけど、格段好きってわけでもないですね」
悠「なるほどー。用はお姉さんタイプってわけだ。てことはMっ子だ」
俺「や、Mっ子の自覚はないんですけど」

たぶんMだと思う。






320以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 02:47:47.31 ID:d9mU55dl0
美「………」
俺「まー自分でもわかんないんですよ。実際、付き合うとかってのもイメージ湧きませんし」
悠「ふ〜ん。まーしばらくすればイメージ湧くと思うよ。なんならお姉さんと付き合ってみる?」
俺「やーご遠慮させて頂きますw 悠さんってあんま年上ってイメージしないですし」
悠「おおう?こんな綺麗なお姉さん捕まえてケンカ売ってるのか?失礼しちゃうわ、全く」
ちなみに、悠さんの身長160cmないそうです。
悠「で、美咲は黙っちゃってどうしたのよ?お腹痛い?」
美「……ううん。ちょっと考え事。用は、アキって雪音とは特別な関係じゃないわけ?」
俺「??言うなればご近所ーってとこですね。後は先輩後輩?」
美「そっか」
悠「…………さてと、無駄話はこれぐらいにして、文化祭に向けてはなそっか」

開会式でやる曲がまだ決まっておらず、それについて話し合った。
結局は、三曲の中で一番テンションが上がりそうな「サラウンド」に決めた。






323以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 02:54:47.51 ID:d9mU55dl0
悠「あ゙………そーいやアキの衣装忘れてた」
俺「え?制服じゃないんですか?」
美「それじゃツマンナイでしょ。今から古着屋行く?」
悠「あー私このあと設営の方に顔出さなきゃ」
美「そっか。んじゃ私が行くよ」
悠「そう?ていうか衣装どんなのにする?」
美「うーんとね、一応イメージしてあるんだけど……」

ゴニョゴニョと話す二人。
あっ!!と何か思いついた表情の悠。
再びゴニョゴニョ………

美「いいね!!絶対いいねそれw」
悠「でしょ!!絶対うけるよねw」
俺「ちょ…いま『うける』って言いませんでした?」
悠「言ってない言ってない。アキ、ウエストいくつ?」
俺「えっと、どんぐらいだろ…」
美「普通ちょい細めぐらいかな。上はLで平気だね」
悠「そうだね。上は赤のカラーシャツにネクタイでいいかな」
俺「え?あーそんぐらいだったらいいですけど」
悠「っと、じゃー私そろそろ時間だから後よろしく〜」






324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 03:01:09.10 ID:d9mU55dl0
美咲さんと数駅先にあるショッピングモールへ行った。
店の目星はついているようで、他店と比べ多少大きな古着屋に入った。

俺「へー色々あるんですね〜」
美「こういうとこあんま来ないの?」
俺「来ないですねー。あんま興味ないですし、
  大体がライトオンとかジーンズメイトとかですませちゃいますし」
美「もっとオシャレしてそうな雰囲気だったんだけどなー。意外だね」
俺「そんなことないですよw 美咲さんはよく来るんですか?」
美「そうだねー。こっちに来たら大体は覗くかなぁ」
俺「へぇ〜。美咲さんオシャレっぽいですからねー。つーか、制服だとなんか浮きますね」
美「んーまぁいいじゃん。それに、制服デートしてみたかったし」
俺「まー厳密にはデートじゃないですけどね〜」
美「ちょっとーそういうこと言わないでよ〜。制服デートしてみたかったんだから」
俺「美咲さん誰かと付き合ってたりしないんですか?」
美「いないいない。全く縁がありませんでしたから」
俺「そうなんですか。モテると思うんですけど」
美「いやー、告白されたことはあるんだけどさ、ちょっとタイプじゃなかったっていうか…」
俺「どんな人だったんです?」
美「んー、なんていうかチャラい人好きじゃなくて。そんでごめんなさいって」
俺「そうなんですかー。あ、これいいんじゃないですか?」
美「お、いいねいいね。後はネクタイとヘアピンかなぁ」






325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 03:09:00.17 ID:d9mU55dl0
その後、ネクタイとハートのヘアピンを買った。
美咲さんがこういう可愛らしいヘアピンを付けるのは意外だった。
でも、似合うんだろうなとも思った。

美「けっこう速くすんだねー。あ、よかったら少し買い物してかない?」
俺「そうですねー」

ということで美咲さんと色々なお店を回った。
といっても、基本は服屋。
レディース用品の店に入るのはちょっと恥ずかしかった。






328以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 03:12:02.06 ID:bo7SrWQ6O
間違いなく>>1はイケメンだな
しかも年上に好かれるタイプ


>>328
当時は顔立ちも周りと比べて幼かったな






329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 03:18:22.48 ID:d9mU55dl0
文化祭の前日。
この日は休みではなく、登校日となっていた。
クラスの準備も大詰め。
といっても、大方準備は終わっていたので、忙しくはなかった。
ベランダで一休みしていると、隣に誰かが座った。

奈「おつかれさま」
俺「おつかれ」
奈「ライブの方はどう?」
俺「んーこの後視聴覚室でリハーサル」

ちなみに、開会式で演奏することは文化祭実行委員と生徒会以外には知らされていない。

奈「そっか。それって見に行っても平気?」
俺「あーたしか関係者以外には開放してなかったかも」
奈「そっか。残念。ま、当日見に行くから」
俺「いや、いいよ。恥ずかしいし」
奈「やーだ。見に行くって決めてるし」
俺「先輩の方に注目してね」
奈「やだ」
俺「っと、そろそろ行かなきゃ。クラスの方はこれで解散だっけ?」
奈「うん。何人かは残って作業するらしいけど」
俺「そっか。んじゃ、また明日」
奈「あ、あのさ…明日よかったら」







331以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 03:24:55.19 ID:d9mU55dl0
『アキ〜、先輩が呼んでるぞー』

俺「おっと、んじゃ、いってくるわ」
奈「あ…うん」

美「もしかしてリハーサル忘れてた?」
俺「そんなことないですよ。これから行こうと思ってたところです」
美「はやく行かないと悠に怒られちゃうよw」
俺「そうですねw リハーサル、他にも人がいるんですよね?」
美「ん〜っと、生徒会と実行委員と先生が何人かいると思うよ」
俺「あーなんか緊張するなー」
美「大丈夫だって。今日はヘマしても悠に怒られるだけだからw」
俺「そうですねーw」

体育館につくと色々と準備されていた。
ステージ上には既に悠さんがいた。

悠「美咲〜、アキ〜はやくしろー」

ステージに上がりキーボードの接続などをチェックしていると、
入り口の方から誰かがこちらに手を振っていた。
どうやら自分に対して振られているようなので、とりあえず振り返しておいた。

悠「じゃー一回通してやるんで、準備お願いします〜」
生「機材チェックおっけーです。音は演奏中に調節します」
悠「わかりましたー。美咲とアキはおっけー?」
俺「だいじょぶですー」
美「おっけーだよ」
悠「じゃーいくよー」






332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]: 2009/04/01(水) 03:28:05.53 ID:vWBbVbSNO
悠と美咲のスペックkwsk


>>332
悠さんは井上真央に似てると思う。ちょっと小さいけど
美咲さんは宮崎葵が近いかな。ちょっと誉めすぎかも







334以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 03:35:19.93 ID:d9mU55dl0
悠さんの足が、1,2,3,とリズムを取った。
悠さんに合わせ、俺のキーボードから音が出る。
そして、悠さんの声と交わる。

―――わらってごらんよ あるいてごらんよ 右から左から誘うよ あなたを






337以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 03:41:42.34 ID:d9mU55dl0
リハーサルは無事に終わり、演奏の評判も上々だった。
後は、本番に力を出すだけだ。

ステージから折り、悠さんと美咲さんと話していると、誰かに後ろから抱きつかれた。

「あーちゃ〜ん、すっごくよかったよー」
俺「ちょ、あれ?朱音?」
朱「あれってなによ?さっき手振ったじゃん」
俺「あ、あれわからなかったからとりあえず振っただけ」
朱「ひどい〜。演奏よかったね。悠ちゃんも歌上手いね〜」
悠「ありがと。やーでもほんとアキ上手だね」
朱「でしょー?ウチの自慢っ子だからw」
悠「ほんとほんと。雪音に感謝だよー。ギター部にキーボード上手い子入ってくれて」
俺「や、入ってませんって。外部からのお手伝いですから」
朱「もう入っちゃえばいいじゃん。ん〜でもさっきのあーちゃんカッコよかった〜♪」
美「当日はもっとカッコよくなるよ」
朱「ほんと?」
悠「ほんとほんと。ビデオカメラ必須だよ!!」
俺「ただキーボード弾いてるだけだって」
美・悠「んふふ」
俺「??」

このときはまだ知らなかった。
リハーサルの後、一度教室へ顔を出し、家路に着いた。
帰りに事故にでも会ったほうがまだよかったかもしれない。






339以下、名無し にかわりましてVIPがお送りします[]:2009/04/01(水) 03:45:36.76 ID:qyMDleP70
追いついた
なんでこんなスレを開いてしまったんだろう・・・
死にたい…






3以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]:2009/04/01(水) 03:53:26.85 ID:Z8oqvDoo
リハーサルは無事に終わり、演奏の評判も上々だった。
後は、本番に力を出すだけだ。

ステージから折り、悠さんと美咲さんと話していると、誰かに後ろから抱きつかれた。

「あーちゃ〜ん、すっごくよかったよー」
俺「ちょ、あれ?朱音?」
朱「あれってなによ?さっき手振ったじゃん」
俺「あ、あれわからなかったからとりあえず振っただけ」
朱「ひどい〜。演奏よかったね。悠ちゃんも歌上手いね〜」
悠「ありがと。やーでもほんとアキ上手だね」
朱「でしょー?ウチの自慢っ子だからww」
悠「ほんとほんと。雪音に感謝だよー。ギター部にキーボード上手い子入ってくれて」
俺「や、入ってませんって。外部からのお手伝いですから」
朱「もう入っちゃえばいいじゃん。ん〜でもさっきのあーちゃんカッコよかった〜♪」
美「当日はもっとカッコよくなるよ」
朱「ほんと?」
悠「ほんとほんと。ビデオカメラ必須だよ!!」
俺「ただキーボード弾いてるだけだって」
美・悠「んふふ」
俺「??」

このときはまだ知らなかった。
リハーサルの後、一度教室へ顔を出し、家路に着いた。
帰りに事故にでも会ったほうがまだよかったかもしれない。







5以下、VIPにかわりまし てパー速民がお送りします[]:2009/04/01(水) 03:56:43.06 ID:Z8oqvDoo
次の日、早めに登校をし、職員室へ顔を出した。
担任の先生に出席していることを伝え、教室ではなく体育館へ向かった。
体育館の準備は既に終わっており、手順の確認をしていた。

悠「アキ〜、いまのうちに弾いておきな〜」
俺「ども、おはようございます。音出したら発声の邪魔になりません?」
悠「もう暖めておいたからダイジョブ。とちらないように指動かしときな〜」
俺「りょーかい〜」

とりあえず、個人的に好きなトルコ行進曲をテキトーに。
速くしたり、遅くしたり、やっぱり速くしたり。

悠「ちょっとww なんかすっごく焦らされてるような気がするんだけど」
俺「あ、やっぱそうですかww」
悠「弾くならゆっくりにしなさいww」

クレームが来たので、次に好きな革命のエチュードを弾いてみた。
多少のミスなんか気にせず全速力で。






6以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 03:58:35.48 ID:Z8oqvDoo
悠「ちょっとww さっきより速いじゃないww」
俺「ですよねーww やー、むしろ速くしてみようと思って」
悠「だからゆっくりにしなさいってww てゆうか、よく弾けるね」
俺「小さい頃によく練習したんですよ〜。とくに好きで」
悠「へぇ〜、さっきのなんか凄く難しそうじゃん」
俺「あー、革命は難しく聴こえるんですけど、実際なぞるだけならけっこう簡単なんですよ」
悠「簡単って言われても、弾ける気がしないけどねww」
俺「まーその辺はガッツで。俺に言わせれば、悠さんのベース上手すぎですよ」
悠「んなことないって〜。練習すれば誰でもこれぐらい出来るって」
俺「お互い様ですねww でも、悠さんのベース聴いてて気持ちいいから好きですよ」
悠「そう、ありがと。ね、ね、なんかゆっくりできるの弾いてよ」
俺「そうですねー……」

とりあえず、『運命』の有名なダダダダーンを思いっきりやったら、頭を叩かれた。






7以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 03:59:00.79 ID:xaR33QDO
酉つけてくれ


今日書ききったとしても後日談とか聞きたいしww






8 ◆liXRcqJE0g[]:2009/04/01 (水) 04:00:38.90 ID:Z8oqvDoo
ゆっくり……
と、メロディが気に入って耳コピした曲を思い出し、それを弾いた。

俺「これ、知ってます?」
悠「知ってる!!知ってる!!わたしこれ大好き!!」

どうやら気に入ってもらえたようだ。
そのまま弾いていると、悠さんがメロディに乗って歌いだした。

―――歩き疲れ ただずむと 浮かんでくる ふるさとの町

いつのまにか美咲さんがドラムの前に座っており、
こちらを見て頷くとドラムを合わせてきた。


―――カントリーロード 明日はいつものぼくさ かえりたい かえれない
                       さよなら カントリーロード―――

演奏が終わると、体育館にいる人たちが拍手をしてくれた。
緊張も解れ、ライブが少し楽しみになった。
その時は。






10 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:03:43.89 ID:Z8oqvDoo
全校生徒が体育館に集まり、校長の開式の辞を聞いている頃。
ステージの隅で待機していた。
赤いカラーシャツに黒のネクタイ。
髪はヘアスプレーで茶色に。
赤渕のメガネにハートのヘアピン。
赤に白玉模様のニーソックス。
そして、スカート。

俺「まじですか?」
悠「まじです」
美「まじです。写メ写メ」
俺「ちょ、撮らないでくださいよ」
悠「あ、私も撮っておこww んーやっぱし似合ってるww」

ステージ脇に控えている実行委員の先輩方も、爆笑。

この日から、毎日欠かさず筋トレしてます。






11 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:04:49.68 ID:Z8oqvDoo
司「っとー、これで終わりじゃないよー!!
  祭りなんだからもっとテンション上げなきゃダメだよっ!!」

司会の人がそういうと、目の前の暗幕が競り上がった。

司「そこでっ!!こんなのを用意しちゃいました!!
  演奏に合わせて、どんどんテンション上げていこう!!」

暗幕が上がり、視界が広がった。
スポットライトが俺と、美咲さんと、悠さんを照らす。
体育館に広がるざわめき。

司「さぁいくよ!!美咲悠 feat お手伝いさんでクラムボン。曲はサラウンド!!」

悠さんと、美咲さんと、視線を交わす。

悠さんの足がリズムを刻む。
足なんか見なくても、背中を見ていれば合わせられるぐらい練習した。
ざわめきが残る体育館に悠さんの声が響いた。
それに合わせ鍵盤を奏でる。


文化祭が、始まった。






13 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:05:55.77 ID:Z8oqvDoo
ライブの時間は午後からなので、午前中は店番をした。
宣伝になるからと、衣装は着替えさせてもらえなかった。
ただ、お情けでズボンは履かせてくれた。
サプライズのライブ+女装ということで、
クラスの人にはそれなりのインパクトがあったようだ。

奈「ねーね、なんでスカート脱いじゃってるの?写メ撮りたいんだけど」
俺「脱ぐよ!!男なんだからズボン履くよ!!」
奈「え〜。だってアキ、スカート似合ってたじゃんww」
俺「似合ってないよ!!」
奈「でもホントおもしろかったーww 
  ウチのクラスの人は知ってたけど、知らない人が見たらわかんなかっただろうねww」
俺「わかってよ!!」
奈「遠目からじゃわかんないよww MCの人がばらさなかったら女の子で通ったよ」
俺「通らなくていいから!!ほんとトラウマになるわ……」
奈「まーいいじゃんww 何事も経験だよww でもさ、歌上手かったね」
俺「でしょ?悠さんの歌ホント上手いから。ベース弾きながらよくあんだけ歌えるよ」

『すいませーん、これくださーい』
『はい、ありがとうございます。110円ですー』
『110円っと……ね、キミってライブやってた子でしょ?ホントに男の子』
『男ですよ!!声低いでしょ!!』
『あははwwでも女の子って言われてもなくはないよww
 あ、そだ。もう一本買うから一緒に写メ撮ってよ』
『え、嫌ですよ』

『いいですよー。じゃんじゃん撮ってください。なんならスカート履かせます?』
『おまえら勝手なこといってんじゃねーよ!!撮らねーよ!!』

文化祭中、こんなことばっかだった……






14 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:07:39.24 ID:Z8oqvDoo
店番を続けていると、雪音が友人とやってきた。

雪「あれ?スカート履いてないの?」
俺「だから履かないって!!」
雪「怒らなくてもいいじゃん〜。ライブよかったよ」
俺「ありがと」
雪「ね、ね、ナナ。いいもの見せてあげる」
奈「なんですか?」

手に持った携帯を奈々子に見せる雪音。
チラっと覗いて見ると女装少年が。

俺「ちょ、なんで!?」
奈「せんぱい〜それ私の携帯にも送ってくださいー」
雪「いいよ〜。んっとね、美咲と悠から貰った♪」
俺「あれか………無差別に送ったりしないでよね…」
雪「私はね。二人がもう送ってると思うけど。
  あ、ねぇねぇ、この後姿バージョンもよくない?」
奈「いいですねー!!そっちもください〜」

葵ねぇの携帯にも画像が入ってた。
送ったのは朱音だったけど。






15 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:09:30.83 ID:Z8oqvDoo
開会式でのライブの影響もあってか、
中庭で行われたギター部のライブには結構な数の人が来ていた。
開会式でいろんな意味で吹っ切れたこともあり、緊張はせず楽しんでライブをこなせた。
ライブが終わる頃、ちょうど初日の文化祭の幕も閉じた。

初日お疲れ様、ということで悠さんと美咲さんと一緒に近くのファミレスで夕食を取った。

悠「おつかれさまー」
美「おつかれさまー」
俺「おつかれさまですー」
悠「いやー上手くいったねー」
美「ホントホント。ライブも去年より見に来てる人多かったよねー」
悠「だね。ほんと女装様様だよ」
俺「………」
悠「ちょっと拗ねないでよ〜ww でも、感謝してるのはホントだからね」
美「そうだよ。アキのお陰なんだから」
俺「もういいですよーだ。とにかく、その話はおしまい」
悠「はいはいわかりましたー」






16 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:11:25.27 ID:Z8oqvDoo
ドリンクバーで飲み物を入れ、
席に戻ると知らない女性が悠さんたちと話していた。

俺「知り合いですか?」
美「同じクラスの子」
俺「あ、どうも、こんにちわ」
女1「あっ!!この子が女装の子?」
悠「いえ〜す。我らが期待のホープことあーちゃんです」
俺「違いますって。人違いです」
女2「どう見ても違くないでしょww 肌白めだし細いから女装いけるねー」
美「でしょー?ナイス逸材だよね」
女1「あ、この女装の子が美咲のお気に入りの子なんだ」
俺「え?」
美「ちょ!!何言ってんのよ!!」
女1「あ、ごめーんww」
悠「まぁお気に入りなのは確かだね」
女2「へぇ〜、まーいいんじゃない?失恋者続出になるねww」
美「だから違うって!!私がいつそんなこと言ったのよ」
女1「常日頃」
女2「助っ人になってくれた子がすごいいい子なのよ〜っていつも言ってたじゃん」
美「(顔真っ赤)…………」
俺「そんな良い子に女装させたんですか?」
悠「そりゃ面白くなるなら」






17 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:13:03.52 ID:Z8oqvDoo
俺「明日の後夜祭ってとくに準備が必要なんですか?」
悠「んーと、ステージが中庭から校庭になったと思えばいいよ」
俺「そですか。明日は女装しませんからね。ビシっと男らしく決めますから」
悠「へぇー。男らしく決めて誰かにアピールしたいの?」
俺「そんなんじゃないですよ。ていうか、
  女の子っぷりアピールしたって良いことないじゃないですか」
悠「いや、あるよ。めっさ」
俺「例えば?」
悠「目立つ。先輩に可愛がられる。おいしいキャラになれる」
俺「どこがいいとこなんですか…」
悠「まぁ、ええがな青年。ほら、デザート奢ってあげるから好きなの頼みんしゃい」
俺「ホントですか!?んじゃオレンジジェラートで…」

どう考えても買収。
美咲さんは友達が去ってから終始無口。






18 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:14:02.41 ID:Z8oqvDoo
家に帰り、早めに寝ることにした。
寝る前に携帯を見ると、美咲さんからメールが来ていた。

件名:
本文:明日のライブまでの間、よかったら一緒に周らない?


件名:Re
本文:すいません。誘ってもらえて嬉しいんですけど、朱音と雪音と約束があって。
   ホントすいません。


件名:Re:Re
本文:そっか。それじゃしょうがないね。ライブの時間忘れちゃダメだよ


件名:Re:Re:Re
本文:わかりました。それじゃ、明日に備えて早めに寝ます(笑)
    おやすみなさい


件名:Re:Re:Re:Re
本文:うん。おやすみ。






19 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:15:29.44 ID:Z8oqvDoo
二日目は雪音と朱音の三人で周った。
最初は朱音に周ろうと誘われ、どうせなら雪音も、ということで三人になった。
各教室を周って、お昼を食べ、中庭で行われているコンテストを見ながらお喋りをした。
そろそろライブの時間になるので、二人と別れてギター部の部室へ向かった。
時間が早いこともあって、部室には人がいなかった。
少し疲れていたので、長椅子を拝借して少し休憩をした。
少し横になるだけ、そのつもりだったが、気がついたら少しうたた寝をしていた。

周りのガヤガヤという音。
誰かに顔を触られている感じ。
ふと、目を覚ますと美咲さんの顔が視界に入った。

美「おはよう」
俺「おはよーございます」
美「早く寝たんじゃないの?」
俺「やー寝たんですけど、なんか疲れちゃって」
美「そっか。まだ少し時間あるからそのままでもいいよ」
俺「や、もうダイジョブです」
美「あ、やっぱダメ。そのまま。で、ちょっと頭浮かせて」
俺「?? こうですか?」
美「そうそう、おっけー」

持ち上げた頭が強引に美咲さんの膝の上に置かれた。






20 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:16:35.15 ID:Z8oqvDoo
俺「や、ちょっと恥ずかしいんですけど」
美「んーいいの。女装した人が何を今更」
俺「させられたんです。ていうか、この椅子柔らかいから意味なくないですか?」
美「………いいの。そういうことは気づいても黙っておくの」
俺「そういうもんなんですか」
美「そういうもんなんです」

俺「美咲さん、ライブの手伝いさせてくれてありがとうございます」
美「なに、急に?ていうか、お礼言うのはこっちだよ」
俺「や、ホント、楽しかったんで。
  ライブやらなかったら今の半分も文化祭楽しめなかったなーって」
美「そっか。それじゃお互い様だね。私も手伝ってくれたのがアキでよかったよ」
俺「そう言ってもらえると嬉しいですね。なんか終わったような言い方ですねww」
美「そうだねwwまだライブと後夜祭も残ってるんだからww」
俺「ですよねwwじゃ、そろそろ準備しましょうか」
美「ん……んー悠が来てからでいいよ…」
悠「きーてーまーすーよー」
美「!!!!ちょっと、来てるなら何か言ってよ!!」
悠「いやーなんかぁ?イチャついてるしぃ?邪魔しちゃぁ?悪いかなぁ?って」
美「(顔真っ赤)…べつに…イチャついてなんか……」
俺「イチャついてなんかいませんって。ライブまで休憩してただけですって」
悠「ふーん?まぁいいけどさ〜。ま、とっとと準備だ」






21 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:17:27.38 ID:Z8oqvDoo
二日目の中庭ライブにもそれなりの人が見に来ていてくれた。
中庭ライブが終わると、文化祭も終わりとなった。
そして、校庭で後夜祭が始まった。

後夜祭では文化祭中に行われていた各コンテストや
イベントの結果などを発表していたりした。
「姉御と呼びたい人ベスト10」に雪音が1位で選ばれていた。
「清楚美人な人ベスト10」には、朱音が1位、美咲さんが3位で選ばれていた。
「彼女にしたい人ベスト10〜年下偏〜」と
「弟にしたい子ベスト5」に女装少年が選ばれていた。
無論、「彼氏にしたい人ベスト10〜年下偏〜」と
「かっこいい人ベスト10」に選ばれるハズはなかった。

後夜祭ではトリとして、三曲+アンコールでカントリーロードをやった。
生徒の皆も盛り上がってくれて、凄く楽しかった。
ライブが終わった後に打ち上げられた花火はとても綺麗だった。
火薬の匂いが薄らと残る中、文化祭が幕を閉じた。

その後、二年、三年と文化祭を経験したが、どれも一年生の頃には敵わなかった。






22 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:19:50.30 ID:Z8oqvDoo
文化祭が終わり、夏休みへと戻った。
部活のない俺はバイトへと精を出した。
悠さんと美咲さんとは文化祭以来も連絡を取っていて、
夏休み中に何度か遊んだりもした。
文化祭を経て変わった事といえば、美咲さん、悠さんと仲良くなった事と、
同学年や先輩に顔を知られ、話す人が増えたぐらいだ。

夏休みが終わり、秋がやってきた。
体育祭やその他のイベントを楽しんでいると、あっというまに冬になっていた。






23 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:22:17.71 ID:Z8oqvDoo
十二月。
恋人達の日がある甘い月。
中学生とは違い、クリスマスを意識しだし高校生。

思いとは裏腹に、彼氏彼女がいない人が多いのが事実。
無論、俺も。
そんな中、我がクラス内である動きがあった。
クリスマス 一人身集まり 騒ぎましょう






24 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:23:39.16 ID:Z8oqvDoo
話の中心は仲の良い男友達だった。
俺は知っていた。密かにコイツが狙っていた子を。
俺は知っていた。その子には大学生の彼氏がいることを。
と、余計な事は言わず、人数集めたいから参加してくれとのお願いを、
快く引き受けた。
最終的には、男子6人、女子10人という規模になった。

場所は持ち込みOKの地元のカラオケ。
予想はしていたが、大量のアルコールが持ち込まれてた。






25 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:25:25.28 ID:Z8oqvDoo
注文した食べ物、持ち込んだお菓子アルコールを片手に会話を楽しんだ。
合間にカラオケをしたり、ゲームをしたり、めいいっぱい楽しんだ。
午前三時を過ぎる頃には、強がって大量に酒を飲んでKOされた男子。
眠気に負けた数名の女子。
ひたすら歌いまくる女子。お菓子と会話を楽しむ男女。そんな構成になっていた。
自分が酒に弱いことを知っている俺は、最初以外アルコールを摂らなかった。
そして、予想通りというか、ベロベロに酔った奈々子の相手をしていた。
といっても、テキトーに相槌を打っているだけだった。
腕に抱きついて日本語に聞こえない謎の言葉を一頻り喋った後、奈々子も寝た。







26 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:26:42.02 ID:Z8oqvDoo
奈々子に膝を占拠されだが、動かすのも可哀相なのでそのままにした。
すると、対面にいた女子が話しかけてきた。

女「ねぇ、アキってさホントに彼女いないの?」
俺「そりゃいたらここにいないのが普通じゃない?」
女「まーそうだけどさ。アキなら彼女いてもナチュラルにこういうとこきそうだし」
俺「そう?」
女「うん。鈍いっつーか天然っていうか、ズレてるって言うか」
俺「あーズレてるってよく言われる。そんなに変かねぇ」
女「変っていうか変わってるよね。あ、もちろん良い意味でね」
俺「そっか。ならいいやww」
女「で、さ。ホントに彼女いないの?」
俺「いないってww タケみたいにモテたらいいんだけどねー」
女「タケはモテてるけど、一部の女子に良く思われてないからねー」
俺「へーそうなんだ。いい奴なんだけどな〜」
女「んー少しタラシ入ってるからねー」
俺「まー気が多いからなぁ〜。ま、モテる人の特権なんだろうけどww」






28 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:28:44.28 ID:Z8oqvDoo
女「モテる人ってアキもそっちの部類でしょ?」
俺「やー俺は違うでしょ。彼女できたことないし」
女「へーそうなんだ。なんか意外」
俺「そう?仲良い人はいるんだけどねー」
女「まー女装が似合うぐらいだしねぇ」
俺「おぅ、そのネタは厳禁だぜ」
女「あの写メ奈々子にちょうだいって言ってもくれないんだよね」
俺「絶対譲渡禁止宣言してますから」
女「奈々子はいいの?」
俺「雪音から貰ってたから文句イエナイ」
女「ていうかさ、ぶっちゃけて聞くけど、アキって奈々子のことが好きなんでしょ?」
俺「ん?異性としてって言われたら違うけど、同じ友人としては好きだよ」
女「この流れだったらフツー異性としてってわかるでしょ」
俺「んなのわかんないって。人が何考えてるかなんかわかんないんだから」
女「で、異性としてはどうなの?」
俺「んー考えたことないからなー。中学から一緒だし、世話かかる子〜って感じだし」
女「へぇー、ウワサではアキと奈々子付き合ってるって聞いてんだけどなぁ」
俺「まじで?それどこ情報?」
女「内緒。奈々子って男子とあんま喋らないけど、アキとはすっごく仲いいじゃん」
俺「まー人見知りってのがあるからねぇ。ちょっと内弁慶みたいな」







29 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:30:36.01 ID:Z8oqvDoo
女「で、さ。奈々子がけっこうモテてるの知ってる?」
俺「へーそうなんだ。初耳」
女「私が聞いただけでも、三回はコクられてるよ」
俺「で、おっけーしないの?」
女「うん。他に好きな人がいるから〜って断ってるらしいよ」
俺「へぇ〜どんな人なんだろうね」
女「で、その好きな人がアキだってのが定説。
  アキだって好きな人がいるからって断ったことあるんでしょ?」
俺「あーまぁ……そういう風に断れば拗れないって聞いたことあるから」
女「それで、アキと奈々子が両思いだって話。まぁ私もそう思ってたんだけどね」
俺「って言われてもなー。ま、あくまでウワサだし、関係ないか」
女「私としては関係あるんだけどねー」
俺「なんで?」
女「…そりゃ、私だって気になる人の恋愛事情とか知りたいし……」
俺「………マジ?」
女「………マジ。今日だってチャンスがあれば告白しようと思ってたぐらいなのに……。
  ま、ここまで脈無しじゃ、ね」
俺「えーっと、なんだ?ごめんなさい?」
女「ま、別にいいけどさ。しょーがない、私も飲んで歌うか〜」
俺「はは…まぁほどほどに」

途中から奈々子が起きてることに気がついてたが、気づいてないフリをしていた。






30 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:32:55.72 ID:Z8oqvDoo
クリスマスが終わり、一気に正月モードになった。
朱音と雪音が受験のため、神社の手伝いをした。
そこでインフルエンザを貰い、年明けてから学校が始まるまで寝込んだ。

朱音と雪音は年があけた後も受験勉強に励んでいた。
結果、二人とも志望校へ受かることができた。

朱音は四年生大学の保育科へ。
雪音は四年生大学の経営学部へ。

雪音の方は近場にある大学だったため、通学に30分かからないとのことだった。
朱音は通学に二時間かかるらしく、一人暮らしという話も出たのだが、
結局は自宅通学となった。






32 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:35:06.80 ID:Z8oqvDoo
合格が決まったニ月。
俺は響子さんと一緒に朱音と雪音の合格祝いの料理を作っていた。
朱音と雪音の好物と、響子さんが気を利かせて俺の好物も作ってくれた。
五人で夕食を楽しんだ。
神主さんに進められて酒も飲んだが、案の定少量でギブアップした。
朱音と雪音はけっこう強く、かなりの量を飲んでいた。

食事が終わった後、食器の片づけを手伝い、酔い覚ましに本殿へ来ていた。
ニ月だったが、その日は比較的暖かく、寒さはあまり感じなかった。






33 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:37:15.10 ID:Z8oqvDoo
俺「どうしたの?」
隣に座った人物に話かける
………

俺「不安?」
………

俺「まぁ、まだ時間あるし、焦らなくていいと思うよ」
………

俺「違う?」
雪「違う…そうじゃなくて…そんなことじゃないの……」
雪「ねぇ、美咲に告白されたんでしょ?なんて答えるの?」
俺「………」

先日、美咲さんの合格が決まった。
合格の報告を受けているとき、唐突に美咲さんに好きだと言われた。






34以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 04:37:50.75 ID:xQBAkkAO
響子=葵ねぇ か?


>>34
響子さんは朱音の母親です
かなり美人






36 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:40:14.61 ID:Z8oqvDoo
雪「ねぇ、なんて答えるのか教えてよ」
俺「………美咲さんに、告白、された…」
雪「………」
俺「あなたは誰が好きなのって聞かれた………」
雪「…それで?」
俺「正直、わかんない。みんな好きだし優劣があるわけじゃないし」
雪「美咲のことは好きじゃないの?」
俺「もちろん、好きだよ。一緒にライブやったし、遊び行ったり話したり、すごく楽しかった」
雪「………」
俺「でも、さ。美咲さんが一番好きなのか、美咲さんだけが好きなのかわかんないんだよね」
雪「どうして?」
俺「だって、みんな好きなんだもん。それぞれ素敵なとこがあって………」
雪「それでも選ばなきゃいけないんだよ?」
俺「そんなのわかってるけど………」






37 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:42:02.64 ID:Z8oqvDoo
雪「アキはさ、誰と一緒にいたい?誰か一人選ぶなら、誰にするの?」
俺「そんなの選べないし、選べることじゃない」
雪「それでも選ばなきゃいけないんだよ」
俺「………」

朱「そんなことないよ。みんなと一緒に居たいなら、いればいいんだよ」
雪「朱音!?」
朱「あーちゃんがそういう風に思うなら、そうすればいいんだよ」
雪「でも、それじゃ、いつか皆いなくなっちゃうよ?」
朱「そんなことないよ………私は、あーちゃんと一緒に居たいと思ってる」
雪「私だって………」
朱「だからね、私はずっとあーちゃんから離れない。………
  あーちゃん、私、あーちゃんのことが大好きなんだよ」
俺「えっ………」
朱「気がついたら好きになってた。だって、好きじゃない相手にキスなんかしないよww」
俺「あっ………」
雪「えっ!?ちょっといつしたのよ!!」
朱「んふふ〜、内緒。だから、私はずっとあーちゃんと一緒にいる。
  もし、誰もいなくなったときに、私を選んでくれればいいから………」

そういって朱音は二度目のキスをした。






38 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:43:05.93 ID:Z8oqvDoo
朱「あーちゃんは私のこと好き?」
俺「そりゃ好きだよ!!こっちに来て朱音に会って、色々と助けられたんだから」
朱「そっか。私も好き」
俺「うん。ありがと」
雪「ちょっと待ってよ!!私だってアキのこと好きなんだから」

そういって、雪音に無理矢理キスをされた。
歯と歯がぶつかって痛かった。

雪「私だって……ひっく、ずっと好きだったんだから……ひっく」
俺「ちょっと泣かないでよ」
雪「だって……ひっく、ずっと言いたかったんだもん…ぐすっ」
朱「言えばよかったのに」
雪「だって朱音に悪い気がして………朱音がアキ好きなの見え見えだったし」
朱「べつにかくしてないもーん♪大学決まったら言おうって考えてたんだもん」
雪「だから言えなかったんだもん………」
朱「で〜、あーちゃんはどうするのかなー?」
俺「えっ………」
雪「私と朱音のどっちが好きなの!?」

くすすっ、と笑う朱音。






39 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:43:57.45 ID:Z8oqvDoo
俺「だから誰がとかじゃなくて………」
雪「じゃあ、どうするのよ?」
朱「だからさ、あーちゃんは私と雪音の両方が好きなの。ね、そうでしょ?」
俺「うん………」
朱「だから、今はそれでいいじゃない。いつかあーちゃんに選んでもらうよ」
雪「でも………」
朱「私はそれでいいよ。それでも、あーちゃんのことが好きなのは変わりないし」
雪「私だってそうよ!!アキのことがずっと好きなんだから!!」
朱「でしょ?だからね、今はこのまま。でも、あーちゃん」
俺「なに?」
朱「あーちゃんにも、少し真剣に考えてほしいの。あーちゃんがどうしたいのかって」
俺「うん…」
朱「おっけー?わかったならいいや。あーでもこれで前よりあーちゃんにベトベトできる♪」
俺「や、それは…」
雪「ダメだってば!!」


三人の歪な関係が始まった。
けれど、それは歪であっても、綺麗な関係だった。






40 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:44:58.28 ID:Z8oqvDoo
季節が流れるように過ぎた二年後。
俺は志望の大学に受かった。
そして、朱音と雪音に、俺の気持ちを伝えた。

朱「ねぇ、言いたいことはわかるから、スパっと言っちゃってよ」
朱音は前に比べてさらに綺麗になった。

雪「うん。いいよ。整理ついた」
雪音は以前より女性らしくなった。

俺「俺はさ、ずっと二人と一緒にいたい。どっちか一人じゃなくて、二人といたい」
俺は………変わってないのだろう。ずっとヘタレのままだったのだろう。

俺の答えに対し、朱音と雪音は笑って頷いてくれた。
朱・雪「うん、私も三人一緒がいい」






41 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:45:49.62 ID:Z8oqvDoo
それから二年が経った。

朱音は保育園で働いている。大変だがやりがいのある仕事だと言っていた。

雪音は地元の企業へ就職した。コスメの会社の広報課で働いている。

俺は来期から大学三年生へとなる。

そんなニ月。
朱音と雪音にプロポーズをし、一応二人の父である神主さんに挨拶に行ってきた。






43 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:47:58.08 ID:Z8oqvDoo
入学式で来たスーツを身に纏い、自分の意思を持って向かった。
朱音と雪音の関係は既に知られており、
神主さんも言わんとしていることは感じていたようだ。

俺「神主さん、お話があってきました」
神「なんだ?」
俺「この度、娘さんにプロボーズをし、OKを頂ました」
神「そうか。どっちだ?」
俺「………両方です。朱音と雪音さんの両方に、プロポーズさせていただきました」
神「日本では重婚は認められていないぞ?」
俺「承知しています。三人で話し合ったところ、どちらかと籍を入れることに決まりました」
神「そうか。それで、キミは二人とも幸せにできるのか?」
俺「一人では無理です。朱音を幸せにするならば、俺と雪音が必要です。
  雪音が幸せになるには、俺と朱音が必要です」
神「キミは、本当にそれでいいのかい?」
俺「もちろんです。後は神主さんの許可をいただければ」
神「……………もちろんいいにきまってるじゃないかーww
  アキなら大満足だってwwなぁ響子さん」
響「えぇ、もちろんですよ。
  何度、あの娘よりアキ君がウチの子になってくれないかって思ったことか………」
俺「え、あ、ありがとうございます」
神「まぁ、ただ、一つだけ条件がある」






45 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:49:11.54 ID:Z8oqvDoo
神「ウチは曲りなりにも神社だ。跡継ぎが必要だ。
  娘を二人とも貰っていくのはけっこうだが、それはそれで困る」
俺「はぁ」
神「だから、アキには婿という形になってもらい、ウチの姓を継いでもらうことになる」
俺「あ、ダイジョブです。祖父ちゃんには前もって話して、許可貰ったんで」
神「あっそう。じゃ、いーや。問題なし」
俺「ありがとうございます」
響「それで、式はどうするの?」
俺「朱音が教会が良いって言ってて………
  高校の時の友人で、教会やってる人がいるんで、それに頼もうかと…」
響「まぁいいわね。やっぱウエディングドレス着ないとだめよね〜ww」
神「………」

実は、美咲さんの親は神父だったり。
そこの教会で身内を集めて式をやることにした。






46 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:50:06.62 ID:Z8oqvDoo
中学、高校の友人に招待状を出し、ささやかな結婚式を挙げることになった。
それが、4月1日。
朱音と雪音の誕生日だ。


両親が亡くなったときは、自分が凄い不幸だと思っていた。
一生、このまま、不幸なんだと思っていた。
けど、こっちに引っ越して、色々なことがあった。
良いこともあったし、悪いこともあった。
辛いことも悲しいこもとたくさんあった。
間違えたことも、後悔したこともたくさんあった。
けれど、朱音がいて、雪音がいて、他にも大好きな人がいっぱいいて。
今、胸を張って『自分は幸せだ』といえる。


母さんと父さんに見せられないのは残念だけど
朱音と雪音のドレス姿は凄く綺麗だと思う。
自分にとって、二人はとても大切な人で、尊敬できる人
そんな二人の隣を歩いても恥ずかしくない男になりたいと思う


あした、大好きな人と、結婚します。






47以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 04:51:14.05 ID:/QbNeZoo
結婚前夜じゃないかって誰か言ってたが、まさかこんな結末とは






48 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:52:50.95 ID:Z8oqvDoo
まだ問題は山積みだけれども
三人で乗り越えていきたいと思う。


長々と駄文を書き連ねて申し訳ない。
ただ、昔が懐かしくて、形にしたかったんだ。
できれば、誰かに聞いてほしかったんだ。
長々と付き合ってくれてありがとうな






52以下、VIPにかわ りましてパー速民がお送りします[]:2009/04/01(水) 04:54:01.96 ID:xQBAkkAO
>>48
乙!






55以下、VIPにかわ りましてパー速民がお送りします[]:2009/04/01(水) 04:56:40.39 ID:/QbNeZoo
ここ、vipだったんだよな…
寝る






57以下、VIPにかわ りましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/01(水) 04:57:00.67 ID:ZcPRL.AO
明日は結婚初夜か…






59 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 04:57:36.73 ID:Z8oqvDoo
ありがとう
思い返してみてもただの自己満だなww

寝る前に、海辺へ行ってみようと思う
おまえらも、夜更かししないでちゃんと寝るんだぞ
必ず誰かが心配してるからな





61以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 04:59:46.63 ID:7VVzu.DO
こんなのってありかよおおおおおお
とりあえず>>1、幸せにな!






63 ◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 05:01:23.05 ID:Z8oqvDoo
結婚式でヘマしないように頑張るww
エイプリルフールに永遠の愛を誓うってのもナンセンスだと思うんだけどなww
それじゃ、
















※この物語はフィクションです。
登場人物、団体名は全て架空のものです






66以下、VIPにかわ りましてパー速民がお送りします[]:2009/04/01(水) 05:04:12.33 ID:xQBAkkAO
信じてた!これで寝れる…
6時起きだがwwww






67以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 05:04:45.75 ID:uau4woDO
よかった
本当によかった







69以下、VIPにかわ りましてパー速民がお送りします[]:2009/04/01(水) 05:06:33.49 ID:1TKxaQAO
初めの酉が雪音だったからてっきり…
これで寝れる






72以下、VIPにかわ りましてパー速民がお送りします[sage]:2009/04/01(水) 05:13:03.95 ID:yOlWIZ.o

危なかった、本当によかった、色々とほんとうによかった
でも、きっとどっかでこれに近いことを体験している奴がいるんだろうな






75以下、VIPにかわ りましてパー速民がお送りします[]:2009/04/01(水) 07:47:21.39 ID:e8R8W.DO

なんか釣りとわかっていても楽しめた!!
ありがとう!!
そして乙!!





82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] :2009/04/01(水) 13:51:40.95 ID:MT/CGcSO
嘘つかれて幸せだったの初めてだ・・・
ありがとう、本当にありがとうおおおおおお

ちょっと雑木林行って崖から落ちてくる






83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] :2009/04/01(水) 13:54:12.27 ID:Xi1Z0UAO
乙ー
てかこれ釣りじゃなきゃおかしいよなwwwwww







84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] :2009/04/01(水) 13:56:14.79 ID:VrQY.2AO
酉が「釣りでした」かよwwww
正確には「釣りでし」だけど






85
◆REfhkNPMi.[]: 2009/04/01(水) 14:33:09.88 ID:Z8oqvDoo
おっと、一つ大事なことを忘れていた
藤田もとい廃墟の人とは別人だぜ
廃墟のオマージュであることには変わりないが



最後に蛇足をつけさせてほしい


俺が知ってる明葉の人生はここまでだ
彼はこれからもかけがいのないパートナーと共に歩んでいく
自分の足で。
高らかになる鐘の音が聞こえたら、それは彼らかも知れない
君達が街中で仲の良い三人組を見かけたら、それは彼らかも知れない
もし見かけたら、声はかけないでいい。ただ、よかったら彼らの幸せを祝ってほしい。

彼らの人生に幸多き事を、心から祈る。






86以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 14:49:02.37 ID:1TKxaQAO
そうか別人なのか

さっき男1女2で歩いてる人見たけど、幸せなんか祝えねえよwwwwwwwwwwww






87以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 15:00:15.06 ID:JEndYkDO
くっそー、なんなんだこのモヤモヤは!
どこまでが本当でどこまでが嘘なんだよ






78以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]: 2009/04/01(水) 11:32:29.19 ID:kiQpbgDO
おまえら今日はエイプリルフールだぞ?
あの釣り宣言が嘘なんだろ







世界のエイプリルフール・ジョーク集
めりーえいぷりるふーる!